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Web 1.0時代を象徴するサービス終焉から、Web 2.0時代の「いつか」を想う


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1994年、ジム・クラークやマーク・アンドリーセといった殿堂入り的ハッカーにより産声をあげたネットスケープ。かつては市場シェア90%超を誇り、華々しいIPOと熾烈なブラウザ戦争、そして敗北を決定付けた1998年のAOLによる買収。ウェブ時代初期の象徴が、ひそかに息を引き取ったという。

…1994年10月、初の商用インターネットを立ち上げたブラウザ「Netscape Navigator」が、2008年2月1日付けで逝く。1998年11月にNetscapeを$4.2B(42億ドル)で買収したAOLが本日(米国時間12/28)、ブラウザ開発事業撤廃を発表する。
…最新調査ではNetscapeのブラウザ市場における現シェアはたったの0.6%で、対するIEは77.35%、Firefoxは16.01%。 これは無論、かつて市場シェア90%超を誇り、1990年代ブラウザ戦争で火花を散らし、それに続くマイクロソフト反トラスト法裁判で戦った、あれと同じブラウザである。

TechCrunch Japanese アーカイブ » 悲しい歴史の終幕〜AOL、Netscapeブラウザ開発事業から撤退へ


そのネットスケープと、ヤフージャパンのトップページ刷新を1つのウェブ時代の象徴として、Web 1.0時代に謳歌したポータルやブラウザのコモディティ化をまとめたエントリーを読み、Web 2.0におけるサービスのコモディティ化についても感じることを書いてみようと思う。

…今年2月でNetscapeブラウザのサポートが終わり、年初からYahoo! Japanのリニューアルでトップからディレクトリが消え、ひとつの時代が終わったと実感した。
…図らずもYahoo! Japanのトップページ刷新はディレクトリの終焉だけでなく、ポータルそのもののコモディティ化を印象付けた。そしてポータルのコモディティ化は、ブラウザのコモディティ化とも強く結び付いている。…

ポータルとブラウザの終焉 - 雑種路線でいこう


それはWeb 2.0時代の象徴、グーグルが、依然として検索市場のシェアを握っていて、全く競争原理が働いていないというかグーグルが凄すぎるのか、相変わらず検索エンジンのコモディティ化が近い将来訪れる気配がなく、Web 3.0という次のステージへ行き詰っている感じたことから始まる。

検索市場のシェアを調査しているHitwiseは米国時間1月8日、最新データを発表した。それによると、2007年12月1カ月間の米国内におけるウェブ検索で、Googleはシェア66%を記録したという。前年同期のシェアは63%強だった。

グーグル、12月も米国検索シェアを拡大:マーケティング - CNET Japan
日本における検索シェアはヤフージャパンに首位を譲ったり、中国では全く揮わずと聞くが、英語圏でのマーケットを握ることがウェブを制すると同義である世界では、この数字が意味する今後のウェブの在り方を改めて考えさせられてしまったのだ。
そういや中国の検索市場と云えば、Baidu(百度)が政府による規制を追い風に、そして違法コピー文化に支持されてマーケットを牛耳っていると聞く。 *1

NASDAQ上場企業であるBaidu〔百度〕が中国本土における検索マーケットを牛耳っている…

TechCrunch Japanese アーカイブ » Baidu〔百度〕、中国でのGoogleのトラフィックをハイジャック中
日本では、広告・携帯・家電といった日本の技術力や文化が馴染みある分野でグーグルの進出が相次いでいて、検索はおまけで少しでもそれに引きずられてシェアが伸びればまぁいいか、という感じに勝手ながら思ったりするけど、中国本土には進出しにくいなぁ、とグーグルも半ば諦めもでてるんじゃないかと思ったりする。

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で、話を検索に戻すと、Powersetやtrue knowledgeのような新興企業により注目と期待を浴びている自然言語検索も話題先行で、最近はワクワクするようなニュースですら途絶えている気がするし、検索オンリーで今の検索市場には中々厳しいご時世になりつつあるのに加えて先日リリースされたばかりの、やはり話題先行のWikia Searchが燦々たる市場評価…

Jimmy Walesの宣伝作戦に釣られて「Googleをやっつけるような人力検索エンジン」の登場を1年も待った。今夜(米国時間1/6)、その検索エンジンがalpha.search.wikia.comで公開された。しかし、なんと、これまでレビューしてきたなかで最大級に失望させられるサービスと判明した。

TechCrunch Japanese アーカイブ » 「Wikia Search」には完璧に落胆した
ただ「あぁ、これじゃぁ当分検索はグーグルなんだ」って期待を裏切られた落胆を持たないのが必要だってことを認識せねばならない。
このエントリーに対するコメントも引用させて頂くが、PowersetもWikia Searchも、諦めず次のウェブ時代を掴む何かを模索してるんで、応援しなきゃ、評価を批評だけに止めず建設的に捉えなきゃ、ってこと。

なんかこのページを見て表面的な評判の悪さだけを取り上げる方が何人かいるのですが、念のため引用しておくと、英語版の当該エントリのやりとりで、Jimmyはこう発言しています。
"It's a project to *build* a search engine, not a search engine."

市場が認めているグーグルを否定するBlekkoの開発姿勢から感じるのは「検索ってのはどういったものが正しいか」を世に問う「グーグルに背(足?)を向けたステージにいよいよ突入し出したってことを認識してもいいんじゃないか、と。Web 2.1って具合でしょうか(笑)。勿論、これまでもこうした動きや思想はあったに違いないが、ここにきてやっと方向性や認識が一致してきたかなと思う。*2

GooglePageRankにはきわめて否定的で、「PageRankがウェブをダメにした。Googleがすべての悪の根源だ。GooglePageRankと共に没落するだろう」

TechCrunch Japanese アーカイブ » Googleへの次の挑戦者はBlekkoだ


Wikia Searchをリリースして市場から散々・酷評されているWalesだが、彼が挑んでいるのはグーグルの検索エンジンに対する利用者へのブラックボックス姿勢(だけじゃないだろうけど)?
BlekkoにせよWikia Seachにせよグーグルの見えないアルゴリズムを否定し、例えばWikia Searchならばアルゴリズムを開示し、更には(オープンソースやウィキペディアのように)コミュニティを活用しようという姿勢で挑むのは、かつてのWindowsとLinuxソースコード開示云々を彷彿させる。

「思想的な面では、フリーソフトウェアを大いに支持している。だが、私の興味はずっと以前から効率的かつ透明性を備えた検索エンジンにある」とWales氏は話す。分散型WebクローラのGrub(昨年夏にWikiaが買収、その後すぐにソースコードが公開された)など、Wikia Searchを支えるフリーソフトウェア・テクノロジだけでなく、「編集上の決定が必要になるあらゆる時点で、そうした決定を社外そしてコミュニティに公表していきたい」というのがWales氏の決意である。

Open Tech Press | コミュニティの力でGoogleとYahooに挑むWikia Search


OSで圧倒的なマイクロソフトが、痛手を受けたにせよLinuxに追いやられたかと云えば、そうではなかったように、オープンだからと云って勝者になるとは約束されていないが、冒頭のWeb 1.0時代の歴史を当時主流のブラウザやポータルが逝ってしまった2008年、次(Web 2.0)の主要サービスがこのままこの状態や評価、シェアであり続けるワケではなく、どう変化していくかを見極めたいなと思う。

*1:更に百度と云えば、はてなのエンジニアが転職したとのことで、技術的にどう成長していくのか、チューニングされていく百度に期待するものはある。[http://d.hatena.ne.jp/mizuno_takaaki/20080106/1199630537:title=はてなを退職いたしました - mizuno_takaakiの日記]

*2:ただ何も僕はグーグルのアルゴリズムを否定しているワケではないので誤解のないように。