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「制約」と「(最高の)小さなチーム」の中から生まれたもの

僕にとっての2010年は、「制約」とは何か?を考えに考え、制約のもとで行動してきた一年だったなぁ、と振り返っています。
と言ってしまえば誰もがそういう状況下で生きているんでしょうが、今年、「制約」と云う言葉を強く意識するキッカケとなったのは、春頃手に取り、その後ずっと座右の書となり続けた一冊に酷く影響を受けたから。

小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則 (ハヤカワ新書juice)

小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則 (ハヤカワ新書juice)

本書は、2000年代のウェブ業界の旗手であるアメリカの企業37シグナルズが、自らの10年あまりの経験をもとに、その独自の経営の秘密を明かす意欲作である。強大な予算やマーケティング戦略、多くの社員や莫大な時間がなくとも、ビジネスを作り出すことができるという彼らの考え方は、業種・職種にかかわらず、ビジネスに携わるすべての人に通じるものであろう。


(182頁 「訳者あとがき」より)


本書には、線を引かないページはないのでは、と言っても過言ではないくらい、僕にとっては重要な言葉が満タンに詰め込まれていて、既にボロボロになりかけている一冊を常に携帯し、余裕できればページをパラパラめくって、その時の気分にヒットした言葉を解釈しようと努める程に愛読しています。


その中で「制約を受け入れる」に一番影響を受けました。そして、「制約とは何か」「どう作用し」「どう扱い」「どう向き合うか」など、色々と考えさせられた一年でありました。

「私には十分な時間も、お金も、人脈も、経験もない」と嘆くのはやめよう。少なければ少ないほどよい。制約は見方を変えれば武器である。資源が制限されると、それでなんとかしなければならなくなる。そこには無駄の余地はなく、創造性が求められるのだ。


サウスウエス航空は、様々な航空機を持つ他の航空会社とは異なり、ボーイング737の航空機のみを使っている。それによって、サウスウエス航空のパイロットや客室乗務員、地上勤務員は、どのフライトにも対応できる。さらに、飛行機の部品は他のどの飛行機にも流用できるので、そうしたことがコストの削減や、経営のシンプルさにもつながっている。


僕たちがベースキャンプのサービスを立ち上げた当初も、多くの制限があった。僕たちの会社には既存のクライアントの仕事があったし、主要メンバーの時差、チームの規模の小ささ、外部の資金調達がないという状況があった。そうした制約により、僕たちのサービスはシンプルにせざるを得なかった。


あれがない、これがないと嘆く前に、今自分ができることは何なのかを考えてみよう。


(49〜51頁 「制約を受け入れる」より)


フルタイムの仕事やプライベートでも、制約の中で如何に満足を追求できるか、ってなことも、真剣に考えながら生活していました、と言ってしまえば嘘臭いし、まぁ半分は嘘ですが笑、こと MyOpenArchive プロジェクトに落とし込んで考え・行動しようとすると、仕事・家庭そっちのけで眉間に皺寄せながら考えに考えていた様な気がします。例え客観的にはそう見えなかったとしても。

で、今回、念願の「新しい MyOpenArchive」リリースを果たしたワケですが、ここに辿り着くまでは茨の道でした、とは大袈裟でしょうか。いや、でも、少なくとも「制約の中で生み出した傑作」だと確信しています。


リリース直後、こんなエントリがタイムリーに出て、うんうんと頷き、励まされるなど。

制約は必ずしもアイデアの足かせにはならず、むしろその制約の中にどうやって新しいものを生み出すかというところでも、いいアイデアが生まれるのだなと感じました。


アイデアは制約の中から - jkondoの日記


無事「新しい MyOpenArchive」リリースを成し遂げられたのは、一緒にやってくれた仲間たちが抜群に優秀で、底抜けに楽しく明るい奴らだったから、このだけは誰が見ても明かなこと。個人的にも「ないない」尽くしな僕をフォローしてくれた仲間には本当に感謝だし、僕はそういう仲間に恵まれる星の下に生まれたんだとしか言い聞かせようがない。
と同時に、多くの制約があったからこそ、今の僕たちにはこれしかできない、いや、これだったらできる、と共通の認識を持ちながら、軸からブレることなく推進できたからではないのでしょうか。


そして、「世界で勝負する為の十分な時間も、お金も、人脈も、経験もない(、まして英語力もない笑)」僕たちにとって、「それでも敢えてやってやろう」と思えたのは一体何だったんだろう。。これについてはぼんやり答えを想い描けているのですが、もう少し時が経ってから言葉にしたいな。


小さなチームが制約の中で生み出した、まだちっぽけだけど夢は大きなサービス。
大切に育てていきたい、いや一緒に成長していきたいなと思います。