京大で「草の根リポジトリ活動から見た、学術流通とリポジトリ」講演してきました。或いは京都の熱い夜二連発報告と御礼。
名だたる豪華講師陣に紛れ込んで、誰に何と云われようともw草の根リポジトリ活動視点のお話をさせて頂きに、上洛します!!
夏休みに作成したスライドがiDiskのせいで吹っ飛んでしまい焦りましたが(Appleめ!><)、吹っ飛んだ時期が良かった。
開催一週間前に集中的にスライド再構築し、京大初上陸果たして来ました!
DRFtech-Kyoto ランチ
講演の前に、、佐藤さん(@min2fly) 林さん(@hayashiyutaka) 秘書(@kany1120) 大村さん(@omoon) 中西さん(@gintacat) 里田さん(@satzz)*1と贅沢且つとっても楽しいランチで、講演前の緊張感も吹っ飛ぶw
しょっちゅうお会いしている?omoon以外、殆どの方が約1年振りの再会ながらも全く久し振り感ないのは気のせいなのかTwitterのせいなのか、、楽しくお喋りできました。
コーディネートしてくれたhayashiyutakaに、そして忙しい中、お休み取って参加頂いたり、会議やバイトの合間にお集まり頂いた皆さんに、感謝です。
DRFtech-Kyoto
昼イチ会議のあるgintacatと夜の合流を約束し、一同は会場となる京大付属図書館へ移動。
目的、以下改めて再掲にて確認。
「Workshop of Application of Repository Infrastructure for eScience and eResearch ----研究成果やデータを永久保存していく活動へ向けて」
日程:2009年9月7日(月)13:00〜16:30
主催:Digital Repository Federation (DRF)、独立行政法人物質・材料研究機構
共催:京都大学図書館機構
場所:京都大学附属図書館ライブラリーホール
対象:IR技術者(思想設計・システム開発にかかわってきた人)
IR利用者(研究者・研究分野を超えて主役として成果の保存と発信に関心のある人)
その他、一般の方の参加も歓迎しますプログラム
【テーマ2 情報環境を共有する】 14:30-15:30
世界で進むデータアーカイブの動き、日本のIRアプリケーション(今やっていること、考えていること)、そのためのリポジトリアプリケーションの可能性・実効性坂東慶太(My Open Archive、システム視点)
「草の根リポジトリ活動から見た、学術流通とリポジトリ」(仮題)
min2flyのエントリご覧の方にはお分かりでしょうが、まさか自分の講演時間が予定より1時間以上も遅くなるとは思いもよらず。。
MyOA公式ブログに資料配付的な意味でスライド先攻公開し、足りない緊張感を自ら与えようとしていたのですが、直前までの講演と議論が楽し過ぎて結局予想されたプレッシャーを抱え込まずに壇上へ。
こちらが当日使用したスライドです。*2
トーク内容は、min2flyのエントリからごっそり引用w
- My Open Archive(http://www.myopenarchive.org/)の紹介から
- 友人が書いた論文を読めない・・・せめて内輪だけでも情報を共有したい
- OAのオの字も知らない状態から始めた
- 眠っている学術情報をウェブ上で流通させるための非営利団体
- 「より流通しなさそうなコンテンツを流通させたい」
- 招待制のα版⇒現在のβ版
- 8人のスタッフで運営
- MyOAにとってのOpen Access
- 広範囲の学術情報を、機関ではなくflicker等にファイルをあげるかのようにセルフアーカイブできるシステム体系を築いていこう
- 研究室内にとどまっている情報をシェアしていく場所が開始当初はなかった・・・知っている学生・研究室向けに始めた
- リジェクトされた論文を公開する雑誌等も数学で始まっている・・・水面下を表に出すような
- 日本には773(高等教育機関)の大学がある
- 活動実績の報告・・・
- OA dayでの発表/新聞記事の掲載
- そうはいっても・・・それほど多くのユーザがいるわけではない
- 2009/9/7現在:ユーザ数269, コンテンツ数93
- 京大・KURENAIには4万件を超えるコンテンツ
- 数は少ない機関リポジトリでも個々が多くのコンテンツを持てば公開論文は増える?
- Open Access Weekの紹介
- MyOAはOAWのパートナー(SPARC-Japanもパートナー)
- PLoSから日本語サイトの運営も任された
- KURENAIもぜひOAWのバナーをトップに貼って!
- 情報環境を共有するシステム視点
- 今やっていること、考えていること
因にmin2flyは質問したい時に挙手(右手)しながら、左手一本でキー叩いていました、、恐るべし。。
いつもながら素晴らしいまとめを、ありがとうございました!!
さて、長丁場だったし、思うことや学んだこと一杯あり過ぎて、終わった後すぐ呑みまくったしw
ワークショップに対する感想というか意見なんてとても書けないなと思いつつ、印象に残った点書き記しておきます。
ポジション
重要ですね。どの立ち位置で、共通テーマに対して取り組み、話すか。
今回のスピーカーには、図書館で働く杉田さん鈴木さんペアを除けば研究者の方々が多勢だったワケで、研究者の立場から見たオープンアクセス論や機関リポジトリ論(観?)がよーく分かったような分からない(分からない?w)ような。
「(タイトル???)」(米田仁紀さん・電気通信大学教授 研究者視点)
使う側、作る側、試す側、使わせる側という全てにコミットしている立場からお話しする
こういう話をするときはどういう立場から話すかということが重要だと思っている
切れ味鋭い米田さんが仰るように、また夜の部でも植田先生がそう仰ってた記憶も今では曖昧ですがw
「それぞれの立場」から意見をぶつけ合うのが必要であるのでしょうし、今回はそれが実現且つ成功したワークショップになったのでは、と。
>谷藤さん、コーディネート大変お疲れ様でした。
そういう意味で、僕はやっぱりイチ大学職員の立場で聞き/考えていることが多かったかな。
例えば、僕のスライドで数字だけ登場した箇所(10,11,12ページ)。
多くの人があまり意識しない数値、全国の大学数だけど、これだけ沢山の大学がありながら、機関リポジトリの数があぁでは、先生方の研究成果にアクセスすることは勿論、そこで学び何とか研究成果として仕上げる学生さんたちの情報なんか、やっぱり全然アクセスできてない。
初心に戻る訳ですが、こうした学術情報こそMyOAが海面に出したい、いや出てきて欲しいコンテンツだったりするのかな。
勿論、海面に浮上した上で、共有されたり流通したりしなければ意味がないワケで。
その為に、以下に検索エンジンに見つけてもらえるかを工夫するのがサービス提供側の仕事の一つであって。
昨今、大学のブランディングなんて言葉をたまに見かけるのですが、大学は生き残りを懸けて我武者らにに広告宣伝に勤しんでいるようないないような。
でも、高等教育機関なワケなので、先生方や学生さんたちの研究成果がどんどん公開されることにより、本質的な機関としての評価が得られず筈なのに、その本質には色んな理由を付けて見向きもせず、ひたすらメディアへの誇大と言っても過言でない広告宣伝に多大な費用が投下される、、、
まぁ、全ての大学がそうでないにせよ、もっと積極的に研究成果をオープンにすれば、それこそ偏差値重視の大学評価ってのが全然変わるのではないか、などと夢想するワケです。
研究者の方々はこんなこと考えられてるんだー、というお話聞くことできたのは、自分のリアルな生活ではなかなかチャンスがなかったので、ホント良かったなぁと思いました。が、一方では、やはり僕は長神さんや佐藤さんの意見に強く共感しまして。
いやでも研究・研究者のためだけに機関リポジトリを考えるのはつまらないですぜ、ってことでひとつ。
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佐藤:研究者だけの話でとどめないで、リポジトリの利用者の大部分は民間人だしBOAIの中ではOAを研究者に限定なんかしてないよ! 人類の知として公開すべきって話をしてるんでそこはもうちょっと視野を広げるべきだよ!
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大学は公器なんだから大学間競争のことばかり考えていてはいけないはず。税金を使って公のためにが第一
佐藤さんの質問にもあったが、機関リポジトリの利用者は全市民と考えている。税金でやっているからには市民に公開するべき
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全体を聞いた感想としては、一方として機関リポジトリにとっての(つまり各機関にとっての)サービス提供対象である研究者に対する視点は欠かせないものであると思うのですが、(なのでデータリポジトリの考えはかなり重要だと思うのですが)、他方で機関リポジトリの利用者として研究者のみを想定するのではやっぱりうまくいかなさそうだな、という。
..
そうではなく、方向性としては長神さん(+質疑応答内での自分)に代表される「市民への公開」という考えと、最後に古賀先生から紹介のあった「新興国・途上国にとってのOA」という2路線がないと(先進国の研究者を中心に考えていると)「なんで機関リポジトリなんか・・・」という話に対応できないんじゃないかとか。
うーん、、、ここ。
古賀先生のお話、「途上国・新興国にとってのオープンアクセス」についてもググッと胸に突き刺さった。
もやもやした気持ちを、佐藤さんがうまくまとめて代弁してくれた感じですが、初心や諸々を考えさせられる大変貴重な時間を過ごすことができました。
もやもやしながらも、思い立ったら吉日的な突進力を保ちつつw、日々走りながら考えてサービスに落とし込んでは批判も受けつつ、僕らにしかやれないこと、やっていきたいですね。
刺激的な一日でした。
講演の機会を頂いた主催者の高久さん(@tmasao)、当日大変なご配慮を頂いた谷藤さん、本当に本当にありがとうございました。
また、バイトあるにもかかわらず途中まで参加頂いたsatzz、twitterで励ましポストしてくれたkany1120とhayashiyutaka、最前列で大きなカメラで睨みつけ
エールを送りつけてくれたomoonも、長時間お付き合い感謝です。
長神さんは帰りの新幹線がががが!ということで名刺交換だけのご挨拶でしたが、早速twitterポスト及びフォローありがとうございました。
坂東慶太さん(My Open Archive)らの活動は見事だ。聞いてはいたけれど、本当に。企業の巻き込み方等とても「副業」とは思えない。昔サイトを見ただけではわからなかった。Twitter発信もある。早速フォロー。http://www.myopenarchive.org/
林さん@化と仲良いようで?w、是非いつかご一緒したいところです!
ところで、、今回に備えて準備し、京大内外でバラまいてきた名刺というのがこちら!
今回、名刺のデザインをお願いしたデザイナーさんは、普段は、飲食店に特化した経営コンサルティングや、店舗運営にまつわる様々なものをデザインされている方です。MyOAは飲食店ではないのですが、特別にお願いして、デザインしてもらいました。デザイナーさんのサイトとブログはこんな感じです。
http://www.insight12.net/
http://ameblo.jp/blacktide
DRFtech-Kyoto Night
さてさて、ワークショップの続きはDRFtech-Kyoto Night!
やはり一年振りに再会できた永井さん@日本動物学会と、ついにお会いできた轟さんに挟まれて宴がスタート。
御馳走戴きました。そして、懇談できました。雰囲気に負けず、色々な方とお話し名刺交換できました。
米田先生や植田先生からどんなお叱りを受けることができるか楽しみだったんですが、
米田先生は残念ながらのご欠席、植田先生とも席が離れていて最後お先に失礼する前に少しお話できただけで心残り。
次回何処かでお会いした際に叱咤激励頂けないかなと勝手に思っていたりします。
また、偽Romaryこと杉田さんと相方の偽Harnadこと鈴木さん、リアルにお会いできて良かったぁ。
だって、今迄はDRFのMLで「おぉ、また杉田さん発言が」なんて、どんな方かと思っていましたが、、偽Romaryでしたかww
その他、お名前出して良いのか分かりませんので、後日メールにて御礼申し上げるつもりです。
お声掛け頂き、ご挨拶させて頂き、みなさま本当にありがとうございました。
京都開発合宿事前Meetup
一方DRFtech-Kyoto Nightの会場付近では、裏番「京都開発合宿事前Meetup」が開催されており、遅れて少しだけお邪魔しました。
* id:kany1120 さん(aka MyOAの美人秘書)
* id:kitone さん(from 京大図書館 with カメラ)
* id:gintacat さん(aka 京都西陣町家スタジオの頼れる兄貴)
* id:satzz さん(from 京大社会情報学、若いエキスを吸わせてください)
* id:keitabando さん(MyOA代表、遅れて参加予定)
* id:britishstudies さん(aka ピンクブリスタ)
* id:omoon(from 大阪 with カメラs)
ピンブリも参上!!
某女史に圧倒されていたsatzzからも楽しげな話を聞かせて頂いて!
coming soon..
いやぁ、、楽しかった。
色々あり過ぎて全てアウトプットできない><
終電を気にしながら楽しくお喋りし、もう終電なくなってもいいかなんて本気で思ってしまったワケですが、、理性を取り戻し無事日帰りしました。omoonには最後の最後まで付き合って頂き本当に感謝です。
京都サイコー!!
また週末来ます。
今度は“2009 Development Camp”と”Kyoto Engineer BootCamp” Kick Offです。
町屋です。
町屋、これからよりスゴくなっていくみたいで楽しみです。
と云うワケで、全然書き足りなのですが、先ずはご報告まで。
最後は講演者特典、谷藤さんからプレゼントされた扇子でしめたいと思います。
あ、そうそう、京都大学学術情報リポジトリ「紅」さん、DFRさん同様「オープンアクセス週間」のバナー掲載おねがいしますね!!
オープンアクセス週間のバナーを、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのもと公開します ― オープンアクセス週間 – 2009年10月19〜23日