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Sydny Cochlear Implant Center訪問。夜はハーバーブリッジを歩き深夜まで赤ワイン堪能。

Sydny Cochlear Implant Center(SCIC)訪問

早朝集合し、2時間弱歩いて到着したのはSydny Cochlear Implant Center(SCIC)。
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ドメインからもご察しの通り、こちらの施設は政府管轄。
前日訪問したCochlear社は民間で直接は関係ないが、勿論間接的につながりがあり、中のスタッフは互いに知り合いが多い。
#名称、ややこしい。。

歴史を感じる建物に入ると、本日対応頂けるスピーチハビタリスト*1に本日の段取りや対応するこどもの経歴についてお話頂いた。

1人目の6歳の女の子。産まれた時から左耳は完全な聾状態で、右耳すら補聴器を付けて何とか聞き取っていたものの急に聞こえなくなり、両親の決断だろう、一気に両耳に人工内耳を装用する手術を決断されたとのこと。
オーストラリアでは両耳の人工内耳手術を行うことが珍しくはない。日本では全く見かけないのが両国の大きな特徴であり隔たりであり。。
術後、彼女の右耳は補聴器を付けていた時とほぼ同じ状態に戻ったそう。
全く聴こえなかった左耳はどうなったか…この聴こえる具合を今回のOne to Oneセッションを通じて確認することができたのだが、結論を先に述べてしまえば、健聴者とのやりとりがほぼ完全でしかも自らの発言も発音やピッチの変化に問題を感じさせない手術の成功、人工内耳の効果を垣間見ることに。

オーディオロジスト(Audiologist)*2の部屋に移動し、スピーチハビタリストと6歳のLちゃんとその母親が集まり、Lちゃんのマッピング(Mapping)が始まる。

人工内耳は術後、そのままでは、聞こえるようにはなりません。
体外装置(スピーチプロセッサー・送信コイル・マイク)を装着し、電極に流す電流レベルをそれぞれに決めていく、人工内耳プログラミング(マッピング)を行う必要があります。人工内耳のプログラミングでは電流レベル〈Tレベル(聞こえ始め)Cレベル(大きいが快適)〉を決めていきますが、成人の場合は、電流による刺激を音刺激として、自己申告が可能な場合がほとんどで、初回時のマッピング(音入れ)で音声がことばとしてしっかり聴こえる人も少なくありません。小児の場合は申告ができないため、患児には遊んでもらい、言語聴覚士が顔の表情の変化などの聴性行動反応を見て判断します。このような作業を行いできたプログラムをマップと呼びます。このマップは時間経過とともに、変化・変動するため、定期的なプログラミングが必要になります。この作業を主に人工内耳のリハビリテーションと呼んでいます。


京大耳鼻科ホームページ - 人工内耳センター -

オーディオロジストがLちゃんの右耳の人工内耳装置を外し、その代わりにPCとつながるケーブルを付きのマッピング用装置を取り付けて、こどもが飽きないようおもちゃを沢山使って音の聞き取りを丁寧に確認してゆく。
聴こえる周波数の帯域を確認する為、小音量から大音量の限界値を確認するのに利用するソフトウェアは、前日にCochlear社でデモを見せて頂いた「Custom Sound 2.0」。
どうやらこのソフトウェアはCochlear社のNucleusに付属するマッピング専用のものらしい。*3

http://www.cochlear.co.jp/Products/587.asp:image=http://www.cochlear.co.jp/Images/freedomIntroWide.jpg

Nucleus® 24 Freedom™ システムはコクレアの最新技術を駆使した次世代の人工内耳システムです。

Freedomサウンドプロセッサには、日常生活の様々な場面で、聴こえを明瞭かつ容易にさせる、革新的な音声前処理技術SmartSound™を導入しています。


Nucleus®24システム

Custom Sound 2.0はリリースされたばかりなのかな、、Cochlear社のAudiologistによるインタビュー*4を見つけたのは、やはり前日Cochlear社で「これは必見」と教えて頂いたAudiology Online。これは重宝しそうな情報源。


さて、話が逸れてしまったけど、マッピングが終了して、移動した先はスピーチハビタリストの部屋。
ここで、やはり楽しげなおもちゃを沢山使ってOne to Oneセッションが展開される。6歳児にとっては長丁場だが、楽しんでやってる感じが微笑ましかった。
セッションで重要なのは、如何に親が参加しながら、手法は勿論気持ちの理解も深めて一緒に進めていくことというのを実感。
「Sheet」「Shirt」「Shoot」「Shout」と、それぞれのイラスト付きカードを壁に貼り、口の動きを手で隠して発音する母親を隣にLちゃんはカート当てクイズを約7割は聴き当てる。
「Red」「Road」「Ride」「Read」といったカードに替えたり、トランプをしたりして、聴き取りと発言のプログラムを楽しくこなしていく。

途中、お土産として手渡した紙風船がとても気になったらしく、セッション終了後に母親とスピーチハビタリストが話し込んでいる間、我々とLちゃんとでしばらく紙風船で遊ぶ、、すごく楽しんで、日本人である僕らに最初は距離感あったけど絡んできて楽しかった。:-)


休む暇なく次のこどものセッションにも加わる。
11歳の女の子Bちゃんで、右耳に人工内耳を装用している。
シドニーへは車で7時間かかる遠方より2日前に到着し、前日は病院に行くなどしてとっても疲れた様子。
見知らぬ日本人に意識もいったか、途中目に涙を溜めるシーンまで…
でもその苦境を乗り切ったのは、やはり登場した紙風船。11歳のテンション低い子だし、どうかなーと思って様子見てたけど、急に笑顔で饒舌になりだし、紙風船の威力に驚き。。
Bちゃんは、6歳のLちゃんと違っておもちゃは殆ど使わず、かなり体系的に編集されたテキストを使ってアセスメントテストをやっていた。
「Picture Plates for the PPVT」「Oral and Writen Language Scales」「Diagnostic Evaluation of Articulation and Phonology」といったタイトルのテキスト、、もうかなりテストの結果は良い感じ。
1つ1つの回答に、スピーチハビタリストが「Good Job」「Good Listening」と褒めていく全体の雰囲気がとても良かった。


先日のRIDBC Garfield Barwick School訪問といい、One to Oneセッションを数多く視察することができたのは、日本に戻って秋から再開されるだろう我々のセッションに対して、多くの収穫があった。
今頃ザグレブでも涼子さん(id:kaposvar)も多くの収穫があるんだろう、、ホテルに戻って日本にいる息子たちとスカイプでおしゃべりしていたら、涼子さんからチャットが入った。元気そうで何より。:-)


こんな感じで午後を幾分過ぎてSCICの視察は終了。
そして勿論帰りも2時間弱のウォーキング。
途中、遅いランチミーティングでこの3日間を振り返り、今後の展望を語る。

ハーバーブリッジ(Sydney Harbour Bridge)

今夜はそれぞれゆっくり夕飯を取ることにしましょう、と別れたのだが、突如シドニー市街地へ、ハーバードブリッジの夜景を楽しんだ後、先生のご友人が営まれているレストランへ行くことに決定。

ボケてしまったけど雰囲気伝わるかな、、ハーバーブリッジから見たシドニー・オペラハウス(Sydney Opera House)とシドニー中心部。
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で、やって来たのはLobster Caveと云う、先生の知り合いで、Sさんが経営されているレストラン。

http://www.lobstercaverestaurant.com.au/:image=http://www.lobstercaverestaurant.com.au/img/top/Logo.gif

Lobster Cave Index

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先ずはSさん最近気になって仕方ないと云うタスマニアのビールを3人で乾杯☆
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タスマニア(Tasmania)が何故気になるのか、、先生が持ち込んで一緒に呑んだオーガニック赤ワインを引き合いに、パーマカルチャー*5,*6、日本やオーストラリアの食文化や国民性の違いについて話題が展(転)開。

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タスマニアかぁ、、パーマカルチャーかぁ、、僕の人生においてあまり気にならなかったキーワードだったけど、思いっきり気になっちゃったなぁ…これカートに入れとくか。

パーマカルチャー―農的暮らしの永久デザイン

パーマカルチャー―農的暮らしの永久デザイン

ま、とにかくとっても楽しく笑顔で冗談が耐えないSさんと先生の会話で、いつの間にか赤ワイン2本目に。
ウェイトレスの女性が、先生によるiPod touchとdayonのデモに興味を示し、ついには業務終了後の彼女まで巻き込んで、英語教育を中心としたそれはそれは深い話題に発展。
(目の前にあるワイングラスを喩えに)グラスから溢れ出す程英会話を聴く。聴くことにより、耳で覚える。対象は、自分の「好き」から選ぶ。
…そして話題は英語の枠を超えて音楽学までに、鈴木メソードも引き合いに出して。

赤ちゃんの頃から毎日繰り返し耳にしている言葉を、いつのまにか話せるようになっていることに着目した、創始者鈴木鎮一の「母語教育法」は、話す能力が生まれつきではないように、音楽も含めたすべての才能は、生まれつきではなく、環境によって養われると考える教育法です。幼児期こそ、教育の大切な時なのです。
母語(ぼご)とは、幼児が最初に覚える言語のことで、第一言語ともいいます。これまでは母国語という表現が一般的でしたが、最近の研究で必ずしも言語が国家と結びつくものではない、という考え方から、スズキ・メソードでは母国語をすべて母語と表記するようになりました。

子どもたちは、始めからヴァイオリンやピアノを弾きたいわけではありません。大切なのは、「自分もやってみたい」と意欲を起こすことです。スズキ・メソードでは、その気持ちを大切に育てていきます。そこから自主性が生まれ、レッスンに通うことから集中力や忍耐力も育つのです。


音楽教室スズキ・メソード_入会案内

まぁとにかくワインの酔いも手伝って盛り上がりました。


そろそろ終電がなくんるのでは、というプラットホームで電車を待っている2人の目の前に飛び込んだのは、とても意味深な広告とコピー。
人種差別をかけて盲導犬に対する差別意識に対して強く訴えるメッセージ。
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BLACK OR WHITE
IT'S TIME TO END DISCRIMINATION
そういえば、行きの電車に乗ろうとした際、目の前に盲導犬と一緒に階段を昇る年配者を見かけて先生と顔を見合わせたことを両者思い出す。

そう言えば、オーストラリアのシドニーに出張中の坂東さん(id:keitabando)はどこかでアボリジニの「目には見えない道」に触れるだろうか。


記憶、その沈黙の川を遡って - 三上のブログ

三ちゃん、何と云うかね、毎日が濃過ぎて頭の中が整理できないんだよね。
これだけこの旅が僕の中心にあるだろう何かを刺激するもんだとは思わなくって、、見えない何かを吸収してるんだろうけど、手触り感がないし、アウトプットが難しい自分の枠組を遥かに超えた異質感。
いや、自分勝手な思い込みだよね、自分に「枠」を作ってしまうなんて。何なんだ、異質感、って。
それも含めて自分、じゃぁないか。


よく歩いたよ、、歩き疲れた。本日の行動マップを見れば分かるね、、刺激的過ぎる日々。

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蓄積されたナニモノかが、いつか地殻変動を招き起こして噴火するだろうけど、そのタイミングが今から自分でも楽しみだよ。

*1:日本における言語聴覚士(スピーチセラピスト:ST)

*2:人間の「聞こえ」の専門家で、アメリカではほぼ医師と同等の扱い[http://www.earphone-guide.com/about-high/sensaphonics.html:title=高級イヤホンガイド|高級イヤホンについて|高級イヤホンとは]

*3:SCIC has been a trial site for new version 1.3 of Custom Sound Software. This software enables the fitting of the Freedom N24 Speech Processor to earlier cochlear implants systems.[http://www.scic.nsw.gov.au/showarticle.asp?faq=3&fldAuto=49&header=header2:title=Sydney Cochlear Implant Centre]

*4:[http://www.audiologyonline.com/interview/interview_detail.asp?wc=1&interview_id=446:title=Interviews from Audiology Online: Interview with Cristen Markos, Cochlear Corporation]

*5:パーマカルチャーとは、オーストラリアのパーマカルチャー研究所・所長ビル・モリソン氏が1979年に確立した理論である。言葉自体の意味はパーマネント (permanent:永久の)とアグリカルチャー(agriculture:農業)の造語で、カルチャー(culture:文化)の意味も含む。 [http://www.kyoto-nicco.org/perm.htm:title=パーマカルチャー]

*6:パーマカルチャーというのは70年代に、ホルムグレンがビル・モリソンとタスマニアで考案したもので、一般には有機農法のひとつだとか、「持続可能な生き方」などと紹介されている。 [http://www.the-commons.jp/commons/main/rick/2006/01/culture_of_descent.html:title=エネルギー下降時代の文化/culture of descent (リック・タナカの「南十字星通信」)]