新アレクサンドリアを目指して
古代アレクサンドリア人は、最大にして最高の図書館を建設した。
ヘレニズム文化が古代アレクサンドリアで栄えたころ、ギリシャ人はシンプルだがすごいことを思いついた。本をすべて、すぐれた文学をすべて、戯曲をすべて、数学や科学の成果をすべて集め、ひとつの建物に納めようと。つまり人知の枠を集め、それを共有して、科学や芸術、富、経済の発展に役立てようとしたのだ。これを、古代アレクサンドリア人はほとんど実現したと言っていいだろう。
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このような成果を生んだアレクサンドリア図書館は、世界初の本格的な学びの場、あるいは、世界初の大学、近代化学発祥の地だと表現されることも多い。
アレクサンドリア図書館(アレクサンドリアとしょかん)は、紀元前300年頃、プトレマイオス朝のファラオ、プトレマイオス1世によってエジプトのアレクサンドリアに建てられた図書館。
世界中の文献を収集することを目的として建設され、古代最大にして最高の図書館とも、最古の学術の殿堂とも云われている。
しかし、五世紀には図書館が破壊され、芸術や科学が大きな痛手を受ける。
そこで登場したのが新アレクサンドリア図書館。
新アレクサンドリア図書館(しんアレクサンドリアとしょかん、Bibliotheca Alexandrina)は、古代アレクサンドリアに栄えながら、戦火によって失われたアレクサンドリア図書館を甦らせ、古代の学問と博識の中心地としての輝きを取り戻そうと、ユネスコとエジプト政府が共同で建設した巨大な図書館兼文化センターである。
だけど、建てた人々は新アレクサンドリア人とは呼ばれない。
グーグル、ハーバード、オックスフォード、スタンフォード…
ネット上に仮想図書館を建設中の彼らこそ「新世代のアレクサンドリア人」と呼ぶに相応しいのか?
過去から現在まで網羅したこの知識の泉は、新世代のアレクサンドリア人のおかげで、もうすぐ昔なら想像もできなかった形でアクセスできるようになる。グーグルなどの企業と、ハーバード、オックスフォード、スタンフォードなど一流機関の司書が、いま、次々と書籍をスキャンし、ビットに変換している。こうしてデジタル化した書籍は、その他のさまざまなメディアとともに、知識と文化のユニバーサルな図書館に収められる。アレクサンドリア図書館を再現する仮想図書館が完成すれば、コラボレーション、学び、革新を醸成する共有の基礎となる。これと比較すれば、いまのインターネットなど、古書店のように思えることだろう。
デジタル図書館も、それを実現しようという多大な努力も、重要だしすばらしいことだ。しかしこれは、本章で紹介する、科学や発明の分野で深く進行している変化の一側面にすぎない。新アレクサンドリア人の革命は、知識を記録する方法にとどまらず、知識を生みだし、利用して経済や技術を進化させる方法そのものにも大きな影響を与える。
ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ(二四三〜二四五頁)
新アレクサンドリア人とは?
新アレクサンドリア人とは、現代経済におけるオープン性の力と重要性を理解する個人、企業、組織を指す。新アレクサンドリア人は、世界最大の図書館となるものを作っているだけではない。オープンスタンダードやオープンコンテンツ構想、オープンな学術ネットワーク、オープンな研究開発コンソーシアムなど、さまざまな形で豊潤なコラボレーション環境とオープンな知識のインフラストラクチャーをも作っている。
ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ(二五〇〜二五一頁)
目的地は果てしなく遠いが、個人としてどこまで取り組めるか。
協力しあって、どこまで貢献できるか。
何ができないのか、ではなく、小さなことでもやれることは具現化してゆきたい。
…ところで(脱線)、、
新アレクサンドリア図書館で今年の夏、熱いイベントが繰り広げられるみたいですね☆
エジプト・アレクサンドリア・2008年7月17-19日
ウィキマニア2008の公式サイトへようこそ!アレクサンドリアが来る夏に有名な新アレクサンドリア図書館でウィキマニア2008を主催します。
ウィキマニアとは何ですか
ウィキマニアはウィキメディア財団事業のどれかに投稿するウィキメディアン全てのための定例会です。これまでに行われたウィキマニアは、ドイツ・フランクフルト(ウィキマニア2005サイト)、アメリカ合衆国ボストン(ウィキマニア2006サイト)、台湾台北(ウィキマニア2007サイト)のような世界のありふれた都市で行われてきました。
例の如く行きたい気持ち溢れ出ているんですが、今年の夏は札幌*1やオーストラリア*2の計画あるし、エジプトなんて…そんな贅沢許されるワケがない。。
泣く泣く断念ですが、、いやー、、参加したい。。X-(
行きたい意欲抑えて、やることやらねば。