Social Graph APIはスゴいかも

http://code.google.com/apis/socialgraph/:image=http://code.google.com/apis/socialgraph/images/the-web.png

Social Graph API - Google Code


グーグルは2008年2月1日に、ウェブ上のリンクから交友関係を抽出するウェブサービスAPISocial Graph API」を公開したと云う。

Google just released the Social Graph API. Brad Fitzpatrick* in a blog post explains that Google crawls publicly available social network data in the form of XFN (XHTML Friends Network) or FOAF (Friend Of A Friend)**... and then makes this relationship data available via JSON through the API, which you call by simply adding different parameters to a URL.

Google Releases Social Graph API

何やら難しそうだが、でも面白そう。:-)


で、Social Graph APIとは??

…ブログやプロフィール・ページのURLなどを入力すると,Googleが収集した,そのサイトを友人としてリンクしている友人のサイトを出力する。このサービスを使うことで,SNSソーシャル・ネットワーキング・サービス)サイトを利用しなくともブログ同士でSNSのような機能を実現することが可能になる。

ブログ同士で"SNS"が作れる,Googleが「Social Graph API」サービス公開:ITpro

このAPIは、TwitterやMySpace.comなどのユーザーのアカウントとユーザーの友人およびそのアカウントとの一般に公開されている関係を活用し、アプリケーションがその情報に公的にアクセスすることを可能にする。

グーグル、「Google Social Graph API」を公開:ニュース - CNET Japan


ここでもグーグルの、いや特にラリー・ペイジの「リンクという自動クロスリファレンスの意義を明らかにしたい」という情熱が、検索エンジンgoogleを産み出した時と同様に、対象を「ウェブとウェブ」から「ウェブ上の人と人」に移して実現されているような気がする。
論文の引用からヒントを得て「バックラブ」(BackRub)と名づけた検索エンジンgoogleの応用テクニックと云えるのだろうか。「引用は重要」という理解のもとに開発されたこのAPIは、もしかしたらmyopenarchiveにとっても重要なAPIとなり得るかも知れない。

…と、まぁ勝手な解釈でますます興味を抱くワケだが、どうやらOpenIDがキーワードとなってつながってもきた。

そう!Social Graph APIを開発したのは、OpenIDを提唱したBrad Fitzpatrickだと云うのだ!

このプロジェクトを公式ブログで紹介しているブラッド・フィッツパトリック氏は、元Six Apartのチーフアーキテクトで昨年Googleに入社。OpenIDの提唱者としても知られている。

Google、Web上の人間関係を把握する「Social Graph API」公開 - ITmedia News


FitzpatrickがYouTubeSocial Graph APIについて解説しているので見てみる。


彼の、こんなメッセージにとても興奮してしまった。

OpenIDとOpen Social,そしてSocial Graph APIサービスを利用することで,SNSサイトを利用しなくとも,ブログ同士でSNS機能を実現することが可能になると考えられる。

ブログ同士で"SNS"が作れる,Googleが「Social Graph API」サービス公開:ITpro

僕はあまりSNSを使わないんだけど、マイスペースやフェイスブック、最近はtwitterやミニブログと云われるウェブサービスがどんどん登場していて、増殖し続けているブログも含めて網羅的に人とのつながりを俯瞰する機能がグーグルからリリースされたのは意味あることではないだろうかと実感わかずだが感じるところはある。

自分が誰で(これはFlickr、ブログ、Twitterはじめ各種ウェブサービスで定義する)、知り合いは誰か。それはリンクに含まれた情報や、ブラウザには出ないウェブページ内の情報から割り出せる。

技術的には単純なものだ。リンクには"me"、"friend"など、主体とリンク先との関係を示すXFNタグを入れることができる。これは外向けに公開していい関係であり、ウェブアプリの多くに組み込まれているほか、手動で簡単に追加も可能だ。

TechCrunch Japanese アーカイブ » グーグル、ウェブからソーシャルグラフの情報を集め、APIを公開

「技術的には単純」?
APIを使ったサンプル「Social Graph API Demo - My Connections」があるらしく、試された秋元さん@サイボウズのエントリを読みながらイメージを高めてみる。

APIを使ったサンプルがあるのでこれを使ってみる。My Connectionsというサンプルでは、ブログや自分のプロフィールが載ったページのURLを入れる(複数あれば改行で区切る)と、過去にブログやSNSなどで自分が登録した情報から、関係のあるウェブサイトのURLや、知人のページを取得して表示してくれる。
http://labs.cybozu.co.jp/blog/akky/archives/2008/02/google-social-graph-api.html:image=http://labs.cybozu.co.jp/blog/akky/google-social-graph-api-demo-thumb.png
デモでは他に、入力したサイト群の間の関連付けができているかを調べたり、そこから「これも関連してるんじゃないですか?」と他のサイトを見つけてくれたりするようなものも提供されている。

秋元@サイボウズラボ・プログラマー・ブログ: Google Social Graph API登場 - 公開情報から人のつながりを探せるように

ナルホドー。で、僕も自分が所有するURLを試してみたが、うまくいかない。XFNやFOAFという規格に準拠していないサイトだから、という理解でよい?ならば自分のサイトなら対応したいね。


結局、グーグルはさすが、というところに行き着いてしまうけれど、独自のSNSをスタートさせてフェイスブックやマイスペースに対抗馬を出して喧嘩仕掛けるワケでなく、Open Socialをリリースして全てのSNSを囲い込むって戦略があったワケだ。囲い込むってのは誤解生じる表現だけど、とにかくグーグルはSNSで敵をつくらず、皆仲間にしちゃえという中立的な態度を取ったってことで、ますますグーグルは良い立ち位置捉えたってことね。

ブログやネットというものが、中心を持たずに一つのSNSになっていくということだと思う。

WEB上の全てのページに誰かのアイデンティティが紐づけられて、そのページを書いた人が他にどこで何を書いているか全てわかるようになる。

グーグルは情報を持たず、情報を持っているのはそれぞれの各サービスの提供者で、それを相互に連結できると便利になるよ、という話なのだけど、連結できたらたぶんグーグルは、世界中全ての人の偏差値を計算するよ。

Social Graph APIによってGマシーンがあなたの偏差値を計算するよ - アンカテ(Uncategorizable Blog)

そして、ウェブがよりリアルっぽく感じる日が近づいたのかな。
そしたらグーグルはきっと、書籍をスキャンしたように、リアルな人間関係も何とかスキャンしようと企むんだろうか、考え過ぎか(笑)。

RESTとかmicroformatとかOpenIDとか、このSocial Graph APIは、それほど画期的なものではないけど、「なんでWEBがこんなにうまくいったのか」という歴史をきちんと踏まえている。だから、WEBやメールのように、着実に広まりある時点から加速度的に普及すると私は予想する。そして、たぶんその効能はとても大きい。

2008年はWEB原点回帰からスパム撲滅が射程内に - アンカテ(Uncategorizable Blog)

id:essaさん程うまく表現できないけれど、僕もグーグルの仕掛けるOpenSocialSocial Graph API、そしてOpenIDの3つは何だか次の何かをやってくれそうなワクワク感が五感揺さぶる。

普通にウェブやグーグルを使っているだけでは目に見えてこないけど、グーグルは遺伝子研究や生物学、その他いろんな科学研究に積極的にかかわっていると聞く。特にサーゲイ・ブリンは分子生物学に強い関心を抱いているようで、…あぁ、この続きを考えるのは今日はよそう、、とっても興味あるけど話逸*1脱し過ぎちゃうからね(笑)。


さてさて、このAPIに真っ先に取り組む日本の企業といったら「はてな」でしょう(笑)。
はてなは早速はてなダイヤリーaboutページFOAF対応検討してくれるみたい。id:yuichirouさん、さすがのご指摘。;-)

# Yuichirou 『【参照】
はてなお気に入りAPIとは - はてなダイアリー http://d.hatena.ne.jp/keyword/%a4%cf%a4%c6%a4%ca%a4%aa%b5%a4%a4%cb%c6%fe%a4%eaapi
aboutページFOAF対応について - はてなダイアリー日記 http://d.hatena.ne.jp/hatenadiary/20050922/1127379473
Social Graph API - Google Code http://code.google.com/apis/socialgraph/』 (2008-02-02 13:19:22)
# hatenaidea 『少なくとも形式を加えるだけはやれば良いという気がしますね。検討します』 (2008-02-05 20:10:35)

はてなアイデア - はてなお気に入りAPIのデータをFOAF形式にして(ダイアリーは既存のFOAFに組み込んで)提供する。「Google Social Graph API」経由で使えないのは宝の持ち腐れ。


楽しみ☆
こうなりゃ、myopenarchiveも形式対応検討したいね。


OpenIDSocial Graph APIにはこれからも注目していきたいです。
あーワクワクするなぁ。:-)

*1:いずれ人ひとり一人にその人が関心持っている広告が何らかのカタチで蓄積されて…とか想像するとゾッとするけど、未来はきっとそんなことを可能とさせるのかも…それがグーグルか。。