ソーシャルブックマーク(SBM)論〜論文編〜


id:yohmeiさんのエントリ「SBMについて思うこと - * * * はちすのみ * * *」をキッカケに、今思えば何とも無理矢理自分自身のウェブサービスの議論へ発展・結びつけてしまった感否めないが、せっかくの与えられた機会なので、ここは改めて論文という分野に絞ったSBMについて思考巡らせるとする。


ウェブ巡回していたら、こんなにまとまり良いエントリに出くわして感激。:-)

はてなブックマーク」を使って論文整理を試みた事があるのだがいまいちすっきり使いこなせずやめてしまった。理由は1)科学論文に特化した機能がない、2)研究室内での情報共有のために必要なグループ機能がない、3)そして最も大事な事は科学者に限ったコミュニティーでのサイトではない、ということが挙げられる。

 そんな私のために便利なサイトがあることを教えられた。

http://sesame.selfip.net/

科学論文系ソーシャルブックマークサイトSesame - roadman2005の日記

Sesameとは、ソーシャルブックマークサービス科学論文版

ってことで、Sesameに行ってみる。

http://sesame.selfip.net/sesame/:image=http://sesame.selfip.net/sesame/image/TOP_logo.gif

ナルホドー。けっこうファンも抱えてるみだいだ。

みなさんのblgに取り上げていただきました。

roadman2005の日記さん
The Swingy Brainさん
脳とネットワーク/研究留学日誌さん
Back Idleness Diaryさん
脊髄反射さん
幻影随想さん
神経科学のノートさん
創造マラソンさん
大学教員の日常・非日常さん
バイオ研究者見習い生活 with ITさん
すりすりサンゴちゃんX

みなさんのblogに取り上げていただきました。 (インフォメーション)


このSesame、一言で云うなら、ソーシャルブックマークサービス科学論文版ってこと。

では一言以上で云うなら、一体どんなウェブサービスとしての機能を搭載してるんだろう。。

Sesameの特徴を挙げると

1. 生命科学系論文に特化したサイトである
2. 論文に限らず本、webサイトの情報も整理できる
3. 論文を読んだ感想などメモを書き込める
4. メモは完全公開、グループ内、個人のみの三段階の公開レベルを選択できる。
5. ファイル添付ができるのでPDFやサプリメントを保管できる*1
6. EndNoteに情報を書き出せる
7. Pubmedでのキーワード検索を定期的に行うアラート機能
8. 手持ちの論文PDFを読み込ませるとPMIDを元に論文情報を取得し登録する機能

などだ。

科学論文系ソーシャルブックマークサイトSesame - roadman2005の日記


フムフム。以下のエントリを拝読すると、ファイアーフォックスのアドイン、公開・非公開の選択有無、タグ管理、PDFアップロード等の痒いところに手が届く機能が支持されてる理由だと理解する。

プラグインツールがあるので、1クリックで登録ウィンドウが表示され便利。

論文に限らず、新聞記事、プライベート性の高いものももちろん管理できる。プライベート性の高いものは非公開にできる。ライバルには知られたくないグラントやジョブの情報なども非公開に。。。

登録した情報は、付けたタグをもとに絞り込み検索ができるので、今のところ再チェックしたい情報を100%、しかも短時間で発掘できている。

それから、期待していなかったメリットも。
あるタグのブックマーク一覧を表示させると、意外な論文同士が関係していそうなインスピレーションを得られることが実際にある。その意味では、できるだけ思いつくままたくさんタグを付けると良いかもしれない。

The Swingy Brain: デリシャス

少し試して便利だと思った機能を箇条書きに:

1.Firefoxユーザー用ツールボタン
このツールボタンをインストールする。登録したい論文のPubMedサイトを開いた状態で、ツールボタンの緑色ボタンをクリックするだけで登録できる。

2.Endnote出力機能
論文作成時にも使える。

3.論文PDFファイルアップロードOK
PDFファイルをハードディスクにため込んで、あの論文のPDFどこだったか。。。なんて時間を浪費することが少なくなりそう。

4.コメント機能
論文に対するコメントも残せる。これに加えて、「重要度」を5段階評価でき、登録論文の差別化をできる。

5.翻訳機能
exciteの翻訳機能との連携もある。

脳とネットワーク/The Swingy Brain:Sesame!〜科学論文用ソーシャルブックマークサービス - livedoor Blog(ブログ)

このサービス 機能がなかなかすばらしい。

1:気になる論文をその場でブックマーク登録
FIREFOX拡張機能を使えば、pubmedのHPからワンクリックで登録してくれる。

後で読もうと思った論文を、ポストイットするのに最適だと思われる。

2:手持ちのPDFファイルとPubMedページをリンク

これがすばらしい。 手持ちの論文(publishされているやつ)を登録すると

自動的にpubmedのページとリンクする。 (世界初とのこと。)
3:PubMedキーワード検索結果を一括登録
キーワード検索した論文を一括して登録可能。
Endonoteへのexportも可能。

後、自分が登録した情報を非公開にもできるので、プライベート面も配慮されている。

Back Idleness Diary » Blog Archive » PDF地獄からの脱却    Pubmedに特化したSesame

ブックマーク単位で「全公開」「グループ内公開」「非公開」が分けられる。

いや、もう、普通に、この機能が欲しかった(CiteULikeには無かった……はず)。自分の研究と密接に関わる論文のなかには、「それを読んでることすら他人(部外者)に知られたくない」ものって結構あるからね。一括で公開 or 非公開しか選べないようだとホント使い道が制限されるんで。

2007-04-27 - すりすりサンゴちゃんX

学術論文を管理するサービスが色々見えてきた

Sesameの特徴や良さを理解した延長線で、研究者の皆さん、代表的なソーシャルブックマークはてなブックマーク」や「del.icio.us」以外に、どういったサービスを利用されてるのか、SBMを中心にまとめてみる。

文献管理

EndNote

最新EndNote活用ガイド デジタル文献整理術

最新EndNote活用ガイド デジタル文献整理術

title

zotero
http://www.zotero.org/:image=http://www.zotero.org/wp-content/themes/working/images/zotero-sm.gif

iPapers

検索

PubMed

Google Scholar
http://www.google.com/schhp?hl=ja:image=http://www.google.com/intl/ja/images/scholar_logo.gif

HubMed

CITE Seer
http://citeseer.ist.psu.edu/:image=http://citeseer.ist.psu.edu/icon/citeseer3.gif

GeNii


これらのあわせ技ですね。当然、図書館や有料ウェブサービスの利用も加えねばなりませんが、今回はオープンアクセス論ではないので、有料サービスや論文の書き方の話題については少し脇に置いといて、一旦話しをSBMに戻そう。

私はかねてより、研究者向けの論文ソーシャルブックマークというのは必要だと思っていた。

研究者間での知識共有の場として
論文内容に対する簡単な討議の場として
学生や若手研究者が論文にアクセスしやすくするため
Citationではないリアルタイムの論文注目度を測るため
他にも様々な利点が挙げられる。

幻影随想: 研究者向け論文ソーシャルブックマークサイト

こうした先見のある方や、実際そうしたニーズを満たそうと開発したSesame運営者の方々はグッドジョブですね。
更にはSesameユーザが、はてなでよく見られるように、ユーザの立場で機能要求し、運営者側がそれに応えるカタチでどんどん改良されていく。

Google Scholarのような論文検索サイトとうまく連携できたりすると、さらに便利なものになってくるかもしれませんね。

http://yoshikazuasada.biz/research/881=title=研究者、御用達?!研究活動用に特化したソーシャルブックマークSesame | 創造マラソン

オープンアーカイブもこうありたいです。


さて、そのオープンアーカイブですが、非常に簡易なブックマークサービスを備えています。
登録ユーザであれば、お気に入りの論文を見つけた時に、マイページにブックマークできるシンプルな機能。
勿論、ブックマークした論文を同じくブックマークしたお隣さんも簡単に見つけることが可能。

このシンプルなブックマーク機能を、今回色々拝見して「これは」と思った機能を追加し、SBMとしてご利用頂けるよう機能強化していこうかと思いました。

Sesameとそのユーザであるブロガーの皆さま、色々勉強・参考させて頂きました。ありがとうございます。
SBMも研究者の方々の想いも、まだまだ理解・勉強不足を痛感です。
もっともっと色々調べて理解を深め、ウェブサービスとしてアウトプットしていきたいと思います!