大学の講義公開サービスから、学ぶ側の情報発信について考える

オープン化された教育資源(OER)、オープンコースウェアOCW)、オープンアクセス運動、知的財産権など、教育資源のオープン化に関するブログの記事をアグリゲートして提供するウェブサイト"OER Blogs"が立ち上がっています。

図書館に関する調査・研究のページ "Current Awareness Portal" - カレントアウェアネス-R : 教育資源のオープン化に関するブログ記事を集めたサイト"OER Blogs" by chojo

ってエントリが気になったのでOER Blogsを見に行ってみる。

How to joinにあるemail us.をクリックするとドメインocwconsortium.orgのアカウントが…。オープンコースウェアと関係あるんだ。。
http://www.ocwconsortium.org/:image=http://www.ocwconsortium.org/templates/ocwc_home_2007/images/ocwclogo.gif


しかしAbout UsにはDedicated to growing the Open Educational Resources movementとある。

Open Educational Resources (OER) – Making High Quality Educational Content and Tools Freely Available on the Web
OER Blogs


…ので、今度はOpen Educational Resourcesについて調べる。
http://www.hewlett.org/Programs/Education/OER/openEdResources.htm:image=http://www.hewlett.org/NR/rdonlyres/5197BC7F-44D4-46FC-BB46-C52BF0D04107/0/3circles_blackConverted.jpg


アマゾンでペーパーバック発見。…英語かぁ…¥3,569.-かぁ…とりあえずカートに入れておこぅ。

Giving Knowledge for Free: The Emergence of Open Educational Resources

Giving Knowledge for Free: The Emergence of Open Educational Resources


Open Educational Resourcesについてブログで言及しているのは数少ないんだけど、それでも幾つか発見。

"アメリカの東大"イェール大学 が、講義の一部をデジタル映像にし、オンライン上で無料公開すると発表しました。

この講義の無料公開は「Open Educational Resources Video Lecture Project」といい、18カ月の試験的運用のために、William and Flora Hewlett Foundationから75万5000ドルの基金を受けたとのこと。大学は複数の言語によるテキスト、講義概要、教材も提供し、受講のためのWebインタフェースも準備、2007年秋から7講義で立ち上げる予定とのこと。

イェール大学 講義の内容をオンライン公開|Second Life関連の記事いろいろ保管庫

ヒューレット財団がサポートする、イェール大学のプロジェクトってワケか。

Yale University is producing digital videos of selected undergraduate courses that it will make available for free on the Internet through a grant from the William and Flora Hewlett Foundation.

The Open Educational Resources Video Lecture Project has received $755,000 for an 18-month pilot phase. The project will create multidimensional packages―including full transcripts in several languages, syllabi, and other course materials―for seven courses and design a web interface for these materials, to be launched in the fall of 2007.

Yale to Make Select Courses Available on the Internet

で、約束の2007年秋は過ぎてしまったけど、その後どうなったんだろう?こちらがプロジェクトの成果だろうか?

Open University of the UK will Launch its Open Content Initiative in October 2006, see http://oci.open.ac.uk/

Open Educational Resources

ということで、Open Educational Resourcesを見に行ってみる。
http://openlearn.open.ac.uk/:image=http://openlearn.open.ac.uk/theme/oci/images/learning_space_banner.gif


…さて。。


マサチュセッツ工科大学のオープンコースウェア、イェール大学のOpen Educational Resources Video Lecture Project、最近ではカリフォルニア大学バークレー校をはじめとし現在37大学の講義がiPodで聴講できるiTunes Uなど、大学の講義をフリーでオープンにする流れが加速している。
http://www.apple.com/education/itunesu/:image=http://images.apple.com/education/itunesu/images/itunes_u_home_header.jpg

色々なプロジェクトが立ち上がる中、一方でこんな問題提起も。

…ポータルとは「玄関」のこと。現在、日本をふくめ、世界には様々なOpen Educational Resourcesの「玄関」がつくられています。ですが、玄関は、2つも3つもいらないのです。それがどれになり、何が淘汰されるかは、近い将来にわかることでしょう。

 学習者にとって、玄関は1つでいいのではないかと思います。少なくとも、コンテンツ少なくして、ポータル多数、という状態は、かなりみっともない。

NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 : 「大人の学び」を科学する: 玄関は一つでいい


今のところのポータルは、OCWiTunes Uかってとこでしょうか。
そして、当たり前ですが圧倒的に英語のコンテンツが充実しています。

東大、京大、東京工大、大阪大学、慶応大学、早稲田大学の6つの大学が、この4月に「日本OCW連絡会:JOCW(Japan OpenCourseWare Consortium)」を設立した。当Webサイトは英語だが、懸念されるのは、公開される授業が英語か日本語かである。このことは当Webサイトからは判明できなかった。もし日本語授業の公開だけなら、島国的発想となり、世界から注目されることはありえない。

 余談だが、大学院の授業を自国語で行っている国は世界でも、日本、ドイツ、フランス、中国など少数派になった。これら4カ国のなかで、現在中国以外の国の経済状態はあまりよろしくない。一方、インドや東欧などでは積極的に英語による授業を行い、経済状態も良好である。経済のグローバル化にとって、やはり英語は必要不可欠であると言えよう。

NY発・森健次郎ブログ - ITよもやま話(61) 大学のネット授業広がる


島国的発想…英語は必要不可欠…


現在、オープンアーカイブはコンテンツ以外のメニュー等を英語表記に統一しています。
一方、日本の片隅でスタートしたからには、国内の方々に利用して頂くこと念頭に、やはり使いやすさや分かりやすさを優先して日本語表記にすべき、との声もあがっています。

目指す先や志は遠く高いところに置いておきながらも、どう出発するか、葛藤の最中であります。皆様のご意見もお聞かせ頂ければ幸いです。


何ともまとまりのないエントリになってしまいましたが、世界の至る所で教育をオープンにしようという動きが活発であること認識し、自分や自分の所属機関がどれだけこの波に乗っているのか自問してみる。

オープンアーカイブがやっていこうとしているのは、教えるという立場から発信するコンテンツではなく、教えてもらった…という言葉は適切でないかも知れませんね…学んだ側として、何をどうやって発信できるのかが焦点になるんだけれど、双方が互いの立場を尊重して、同じベクトル意識してやれることやれたら、なんて想い描きます。