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「ギフトの円環」+クリエイティブ・コモンズで実現させるArchive2.0

世界中が書籍スキャンしまくっている

日本政府が、国会図書館の蔵書をデジタル化して全国で閲覧可能にするための法改正に着手するという*1
2003年にAmazon.comが開始した書籍の全頁検索サービス「Search Inside the Book*2」、同年Google.comが「Google Print」としてベータテストが開始した「Google Book Search*3」等、書籍デジタル化について日本もやっとギアが入るようだ。

何ともまぁ、「後追い」な。でも日本もそろそーろ、書籍電子化が始まるのかな?(いつものごとく)時すでに遅し、でもやることに意義がある(はず)。がんばりましょ。西洋に追いつこー!追い越そー!*2ついでに、中国にもすでに負けてまーす。あと、東南アジアも、密かに進んでまーす。電子化後進国日本、どこまで大胆な法改正で、盛り返せるのか、注目したいところ。

[書籍電子化]最低でも知っておくべきこと2008-01-09 - simpleA@hatena

で、昨日から読み始めてまだ読了していないGoogleとの闘い―文化の多様性を守るためにで西洋や中国のすさまじい書籍スキャン計画を発見。フランス人で、Google ブック検索をひどく非難し(?てるように読み受けられる)ヨーロッパにおける書籍スキャンプロジェクトの要職を務める著者も、ヨーロッパのスキャン計画がスバラシイことを唱えていて、もー世界中がガンガン書籍スキャンして動いてるすさまじさを感じる。

インド、中国…この二つの国はすでに、アレキサンドリア図書館そしてアメリカの八大学と提携し、一〇〇万冊の書籍をデジタル化する計画(ミリオン・ブック・プロジェクト)を打ち出している。…

Googleとの闘い―文化の多様性を守るために(五九頁)


学術論文もオープン化から次のステップへ

そんな中、オープンアーカイブの対象となる学術論文も、学会や出版社等を中心に、積極的なデジタル化・オープン化が進んでいるよう。

大手科学技術出版社のNature Publishing Group(NPG)は、Nature誌最初の80年間(1869-1949)のアーカイブが1巻1号からARCHIVEページで閲覧可能になったことを明らかにした。

NPG、Nature創刊号からの閲覧可能にニュース(β版) −情報管理Web−

…欧州研究会議が同会議が助成した研究プロジェクトの成果(査読雑誌掲載論文とデータ)は,刊行後6ヶ月以内にPMCやarXivに登録することを求めることを発表していました。

Open Access Japan | オープンアクセスジャパン - 欧州研究会議,OAを義務化

もともと、学術論文のデジタル化は歴史が古いが、当時(1960年代)はコンピュータやテクノロジーがその思想に追いついておらず、1980年代後半以降やっと姿形が見えてきて*4、今のやウェブやテクノロジーの力によりデジタル化は加速しているといっていい。

ただ、多くの電子ジャーナルは当初、電子ジャーナルの存在を「永続的なアクセスの保証」や「永続的な保存」を主目的としてシステム化されてきたという*5
そして現在、電子ジャーナルをとりまく利害関係者がやはりWeb2.0を意識し、オープン化は当たり前、その上でコミュニケーションという要素によりどう発展性を持たせるか、を焦点とした試みが取り入られるようになったようだ。

米国の歴史ある一般向け科学雑誌Scientific American(日本版は日経サイエンス)が、Web2.0を意識したScience2.0という試みをはじめました。これは掲載される記事に読者との双方向性のコミュニケーションを取り入れようというもので、…

サイエンスの領域では(特にアカデミアでは)Web2.0的な試みが現在まではそれほど成功していないようですが、同記事で、Web2.0的科学雑誌の先駆けであるPLoS ONEのエディターSurridge氏は"科学者の昇進や就職にはピア・レビューされた論文のみを業績としてカウントするので、カウントされない(Web2.0的)なブログなどは時間の無駄だと考えがち(The peer-reviewed paper is the cornerstone of jobs and promotion, Scientists don't blog because they get no credit.")とコメントしています。

ピア・レビュー業績至上主義のアカデミアでWeb2.0的な仕掛けを、どういう具合に生かすのか、どう評価するのかが今後の課題でしょう.

ハーバード大学医学部留学・独立日記 ... 米国科学雑誌Scientific Americanの"Science 2.0"はうまくいくのか


「ギフトの円環」+クリエイティブ・コモンズで実現させるArchive2.0

そこでオープンアーカイブは微力ながら、アカデミアにおけるWeb2.0を思考・追求したいと思う。何のしがらみもない立場により、あるべき姿を思考し、それを具現化してみる。この取り組みをオープンにすることで、問題の様々な側面を赤裸裸にし、不特定多数よりコメント貰って知識・知恵で思考を補い、できれば成功させたいし、失敗してもきっと得るものの方が多いと思っているからこその実験プロジェクトなのだ。

学術コミュニケーション分野で流行っているオープンアクセス*6を実現する道として提唱されたセフルアーカイビング*7の代表的とされ、物理学分やで普及したarXiv
高校時代に物理学を目指し、結果として数学の道を進み、今ウェブやコンピュータサイエンスの魅力にどっぷりはまってしまっている自分ができること、やりたいこととは?…
arXivにコミュニケーション要素を吹き込み、著作権の問題をクリエイティブ・コモンズという概念で解消させ、遊び心も注入しつつ、Web2.0時代に適した学術論文共有サイトを構築できれば、と夢描く。

研究成果は、誰もが利用できるようにしてほしい、その代わり自分もその成果を公開するから、という仕組みである。ハーグストローム(Hagstrom,W.O.)はこれを「ギフトの円環」と呼んでいる*8が、研究結果をお互いに「ギフト」することで、学術情報の流通をスムーズにし、それが研究活動を保証することにもなる…

学術情報流通とオープンアクセス(二七頁)
この「ギフトの円環」という思想に、クリエイティブ・コモンズのライセンス概念をプラスし、よりクリエイティブに過去の叡智の蓄積を有効活用して未来への発展を加速させる仕組みを理想としているのだ。


スタンフォード大学でコンピュータ・サイエンスを専攻する学生(例えば!グーグル創設者のラリーとサーゲイ)がCCライセンスを付与した学術論文をセルフアーカイビングし、東京大学京都大学の同じ学問領域を学ぶ学生が、その論文を元に、ライセンスに従って新たな研究成果を生み出す。そしてその成果をライセンス継承してセルフアーカイビングし、未来の研究者に将来を託す…

一つのイメージがこれ。共著でもない、勿論捏造や盗作でもない。ここをはっきりイメージできるように説明せねばならない。

世界中がやっきになる書籍スキャンや電子ジャーナルの目的とはまったく異なった次元で、投稿されたドキュメントから、新たな知識をクリエイト(新規創出)するきっかけとなるウェブサービス。ああ、、文才ないのでまだまだプロジェクトの趣旨や思想を相手に伝えるということが出来ずに凹んでしまうが、こうして日々ブログで綴り語るということは勉強になり少しづつ成長している感触がある。書き出すことをやり続けて、やりたいことも明確にしていきたいと思う。

*1:[http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=AS3S28039%2007012008:title=国会図書館の本、全国で閲覧可能に・法改正へ政府着手 インターネット-最新ニュース:IT-PLUS]

*2:2005年に、Amazon Japanが和書・洋書の全文検索なか見!検索」を開始する。

*3:2007年に、日本語版としてGoogle ブック検索がスタート。

*4:isbn:978-4326000326:title(一一四頁)

*5:isbn:978-4326000326:title(一三六頁)

*6:オープンアクセス文献とは、デジタルでオンライン上にあり、利用が無料で、著作権や使用権の制約のほとんどから自由なものisbn:978-4326000326:title(一四六頁)

*7:研究者たちが学術雑誌に掲載された論文を自分のサイトやそのほかの公的なアーカイブで自ら公開することによって、オープンアクセスを実現する方法isbn:978-4326000326:title(一五二頁)

*8:Hagstrom,Warren O.The scientific community.New York,Basic Books,1965,304p