Do they know it's christmas



今から23年前、1984年イギリスで結成されたBand Aidのクリスマスソング。
Band Aidとはエチオピア飢餓の救援資金を募るため、ボブ・ゲルドフの呼びかけにイギリスを代表するスターが一同に会したチャリティ・プロジェクト。


当時13歳。中学生だった僕は、家庭教師の大学生のお兄さんに薦められてビートルズと出会い、その頃流行っていたロックをひたすら聴く日々を過ごし、この曲に出会った。
当時大好きだったデュラン・デュランやワム、カルチャー・クラブが勢揃いするだけでも大興奮だったが、そんな呑気な気分は吹っ飛んだ。
確か真夜中のMTVだっただろう、このビデオクリップを観て、込み上げるものを押さえきれず大粒の涙を流し、録画したビデオを何度も何度も観て、歌詞を覚えて口ずさみ、そして何度も何度も泣いた記憶が蘇る。


そして今夜、ユーチューブで楽しげなアニメか、素人の心のこもったクリスマスの雰囲気伝わるビデオを探そうとしたが、その必要がないビデオに再会した。
23年経った今日も、やはり涙で潤んでしまった。楽しい、幸せなクリスマスを過ごせば過ごす程、切なくなってしまう。


23年経って、クリスマスは世界の子どもたちに平等にやってきたんだろうか。


我が家の子どもたちは、昨夜やってきたサンタクロースのプレゼントをはしゃぎまわって喜んでいた。
当然だが、子どもたちは世界の窓のムコウにいる、クリスマスを祝えない子どもたちのことは知らない。


当然、23年も経てば、飢餓や貧困はこうしたチャリティによって大きく変わっているだろう。
けれども23年歳をとった僕は、未だ知識や行動が何も伴っていない、成長していないことに気づき、自分にガッカリしてしまう。


昨夜、グラミンフォンという奇跡 「つながり」から始まるグローバル経済の大転換 [DIPシリーズ]を読了した。世界で最も貧しい国の一つ、バングラデシュでは、携帯電話ビジネスが成功して貧困を救っている、人と人とがつながって経済や政治に変化が起きている。けれど未だ農村部に住む一億人の多くは電気のない生活を余儀なくされている。キャンドルを幸せな灯火として眺めるわけにいかないだろう。


今、この音楽と、最近読んだ2冊の本が、僕の中でシンクロした感じだ。

貧困問題を克服するカギとなるのは、経済成長だ。

援助だけでは、成長は成し遂げられないのだ。

グラミンフォンという奇跡 「つながり」から始まるグローバル経済の大転換 [DIPシリーズ](二頁)

一般の善意というのは、関係者の利権争いに埋没してしまい、援助を必要とする当事者には届きにくい…

21世紀の国富論(一九二頁)

経済的に自立した事業として成立させることができれば、支援をするほうとされるほうが共通の目的をもつことができ、負担を負うだけの立場にある当事者はいなくなる

21世紀の国富論(一九六頁)


この意味を、今の僕は理解できているだろうか。そしてこの言葉から、何を感じ、どういう考えや行動に結びつけようとしているんだろうか。


Band Aidボブ・ゲルドフは、この著書で云うところのグラミン銀行総裁ムハマド・ユヌスやグラミフォン創設者のイクバル・カディーアになぞることが出来る。
彼らの行動規範は何だろう?
どうして僕は彼らに魅了され、過去の僕は映像と音楽に涙したんだろう?
幸せな国で、幸せな家族と幸せなクリスマスを過ごす僕が出来ることって一体何なんだろう?


本当は、子どもたちがクリスマスプレゼントを確認した瞬間、そして初サンタクロースを演じた僕の面白く楽しいクリスマスを報告する予定だったが、いきなり探し当てたビデオクリップで思わぬ展開のブログとなってしまったが、今の僕には、この展開が良かった。色々考えることができて良かった。幸せボケだけで終わりそうな日になりそうだった。


年末年始は、現在やってるプロジェクトの位置づけや今後の展開について、そして最近思った数々を整理してまとめ、今後取り組むプロジェクトの青写真を描くこと。
きっとサンタクロースが僕に与えたクリスマスプレゼントは、こういうキッカケだったんだ。
と勝手に思い込んで…


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