OLPCにマイクロソフトの出番なし?


話題に事欠かないOne Laptop per Child (OLPC)

Give One Get Oneキャンペーンが大好評らしく、キャンペーン期間延長のニュースを聞いた時は素直に嬉しく喜んだ。だって、一人でも多くの子どもにXOが届く可能性が広がったんだから。

当初は11月12日より2週間の予定でしたが、開始以来同プログラムを通じた寄付が平均して一日に200万ドルペースで寄せられるなど大好評であることを受けて延長が決定

OLPC、「1台寄付して1台ゲット」キャンペーンを延長 - Engadget Japanese


政府や資産家が活動趣旨に賛同して大型案件を成約させる報道もあり、うまく生産や流通がまわることをただただ祈るばかりだ。

ペルー政府が26万台を購入する契約を締結し…

…メキシコの億万長者で長年の友人であるCarlos Slim氏がメキシコ国内で配布するために5万台をすでに注文済み…

ペルー政府、OLPCのノートPCを26万台注文:ニュース - CNET Japan


ただ…

どうやらマイクロソフトも慈善活動を盾に、OLPC対応のOS(Windows XP)やS/W(Office)を対応させるというが…何ともビジネスの臭いがぷんぷんするのは気のせいか?

…Microsoftは、教育の変革や現地でのイノベーションの促進、職業機会の創出を通して、まだ技術の恩恵を享受していない50億の人々にその恩恵をもたらす取り組みUnlimited Potentialを推進している。われわれはこのたび、Unlimited Potentialの一環として、ローコストのハードウェアを用いたコンピューティングデバイスを念頭に、Windows XPにおけるフラッシュベースの端末のサポートを拡大する計画…

マイクロソフト、OLPC「XO」ノート用に「Windows XP」の新版を提供へ:ニュース - CNET Japan


いや、勿論「フリー(無償)」なら、子どもたちの教育支援として願ってもないことだ。子どもたちは有償でこの優れたビジネスソフトを無料で手に入れて利用するチャンスなんてないに等しい。タダで乗っかってくるのなら大賛成。さすがはビル、太っ腹!

…と称賛したいところだが…

WindowsとOfficeがXOで動くというのは喜ばしいことだが、価格はどのようになるのだろうか。せっかく低価格で導入できることが売りのOLPCなので、Windowsといえどもおそらく特別なライセンスを用意し、破格の低価格で提供することになると私は予想する。

OLPC "XO" でWindows - Nothing ventured, nothing gained.


ですね。期待はしても、結果としては少々のお金を、ってことになるかもですね。

んーー、もしかしたらGoogleの邪魔をしようとする魂胆あるのかなぁと疑ってみたり(笑)。*1


そうでなくともMicrosoft新興市場部門のゼネラルマネージャーJames Utzshneider氏が、インタビューで弱音を吐き、自社の対応に合わせた仕様を半ば強要しているように聞こえるからやっぱり疑惑は晴れない。。

技術的に多くのハードルがある
→ OLPCの関係者に対してXOのマザーボードにSDスロットを装備するように説得

OLPC用「Windows XP」開発は前途多難--MS幹部が明らかに:ニュース - CNET Japan


きっとOLPCの気持ちを代弁すれば、「君らがいなくても大丈夫」ってことだろうけど、利害関係のない発展途上国の子どもたちにとってみれば、醜い企業間争いは大人の対応で早々に解決してもらいたいといったところだろう。

いろいろなOSが動作するというのは選択肢が増えることになり、喜ばしいことだ。

OLPC "XO" でWindows - Nothing ventured, nothing gained.

そう、Microsoftを排除する、とかじゃなく、ユーザに複数の選択肢がある、ってのが理想。


OLPCマイクロソフト抜きでも十分な成功を収めるだろう。けれど、挑戦するという意味と、子どもたちの為に、っていう難題同時解決に敢えて取り組んで欲しいと願う。
競争して欲しいとかじゃなく、市場でのライバル会社同士が、こういう時にこそどううまくプロジェクトを成功させるか、見てみたい。

*1:GoogleOLPCプロジェクトの共同開発に参加している