物理学を起点としたロールモデルの様々
先日実家に帰省して、両親が大切にキレイに保管し続けてくれているた学生時代の書架を眺めていると、高校時代に読んだ物理学や数学の書籍の数々に不思議と吸い込まれた。
- 作者: スティーヴン・W.ホーキング,林一
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1989/06
- メディア: 単行本
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超ひも理論と「影の世界」―見えない!さわれない!謎の世界 (ブルーバックス)
- 作者: 広瀬立成
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1989/08/18
- メディア: 新書
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ビッグバン―こうして宇宙は生まれた (ブルーバックス (B‐564))
- 作者: 佐藤文隆
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1984/04
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受験生だった過去の自分に「生意気にー。学校の勉強せずこんなマニアックな本読んでてー。ヘンなヤツ」なんてニヤニヤしながら当時の心境を懐かしく思い出す。
高校2年生で「文系か、理系か」と迫られ、好きな教科が「英語、数学、物理」でそれ以外が全く駄目だった僕は迷わず「理系」を選択。
当時、白髪だった長老の物理の先生が体調不良で倒れてしまい、北海道大学大学院を卒業したての若い先生が代わりに授業を受け持つことになったのが転機だったと思う。
「数学なんて、物理学にとっては単なる計算式」
「理論と理論をチェーンで噛み合わせるように話し、理解するんだよ」
なんて、高校生だった僕には年齢近かったこともあり、突然にして憧れというか目標ができて、すっかり物理学の虜になり、書店に行っては難しそうなタイトルの本を手に取り、受験勉強そっちのけで読み込んでいた記憶がある(ので、その後の受験はすっかり失敗した)。。
その後は希望の物理学を先攻できず、数学の道へ。
しかし全く学習意欲を失った大学生の僕は、その道を極めることができないまま、コンピュータの世界へ社会人となり今日まで紆余曲折しながら至る…
実家の書架を眺めて懐かしく感じていたのはものの数分。
だけど、何か忘れ物してきたんじゃないかってことに気づいたんだろうか。
昨日の「はてなブックマーク 最近の人気エントリー」を斜め読みしていたら、僕のアンテナにひっかかったのがこのニュース。
「サーファー物理学者」の新たな統一理論に注目集まる | WIRED VISION
Garrett Lisi氏は、思慮深い物理学者として広く認知されている。だが、たいていの物理学者と違って、Lisi氏は大学や研究機関に長く所属した経歴を持たない。Lisi氏はサーファーかつスノーボーダー[生活費は旅行ガイドや建設作業などで稼いでいる]。その彼が、万物の新たな普遍的理論を説く論文を発表した。
最初のクリックは「へー、面白そうな人がいるもんだなー」って軽い興味でしかなかったけど、どんどんクリックの数が増えていく…
どんな分野(政治、経済、教育、芸能、スポーツ、等)、どんな組織(企業、学校、等)にも型破りでユニークで非常識(は語弊があるか…)なヤツがいるもんだけど、Garrett Lisiってのはそんな類…いや、何にも当てはまらない何にも属さない「個」を感じる人物で、ちょっとだけ親近感がビビっときた。
20代前半はスノーボードに明け暮れ、20代後半、ロングボードにハマっていた僕には、彼の自由な行き方に憧れがみるみる込み上げてくる。
「いや、とっても面白そう。そうだ、僕のサイトに論文を投稿してもらえないかな」
なんて無謀な考えが突然閃き、無茶苦茶な英語でその旨伝えるメールを送信(カチッ)。
そしたら!何と!30分経たないうちに返信が!:-)
In general, I think information wants to be free.
オープンマインドの持ち主なんだね。見ず知らずの日本人が拙い英文で無理なお願いをしたに過ぎないけれど、その気持ちを瞬時に理解し、メールまで送ってくれた。
大学や学会等、組織に属している権威ある識者の扉をこじ開けるのは中々大変。
でも、本当は彼の様に「wants to be free」って思ってる研究者って世の中にはいっぱいいるんじゃないかって(感だけど)思う。
というワケで、代理投稿の許可を頂き、アップロード!(はてなダイアリーはembedタグ貼付け出来ないんですよね?…残念っ。。)
An Exceptionally Simple Theory of Everything
id:umedamochioの「ウェブ時代をゆく」をまた引っ張りだしてくるんだけど、今回の出来事で2つのキーワードを思い起こした。
1つは「ロールモデル(思考法)」。も1つは「好きを貫く」。
僕にも潜在意識の中にロールモデルはしっかり蓄積されているんだろうけど、後は体系的に理論的にそれを抽出すればロールモデル思考法を意識的に実践できるのでは、なんて思ったんだ。
「物理学への憧れ」を切り口にスタートさせたら何か見えてくるんじゃないか、って最初のスタートラインを1つ見つけた感じ。
高校時代の物理の先生(今も教鞭を取られている、出川先生。仕事を通じて数年前に再会し、職員室で、自分だけアップル製品を使っていることと、野口悠紀雄の超整理法に基づいた資料管理の自慢話をたっぷり聞かされた(笑)。あの日以来やり続けていますよ、超整理法)。
- 作者: 野口悠紀雄
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1993/11
- メディア: 新書
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ニュートンやアインシュタイン、ホーキングやGarrett Lisi(誰かカタカナ表記教えて)
関連して、数学やコンピュータ・サイエンスという切り口から勝手に親近感と憧れを抱く偉大なる方々…
梅田望夫、ラリー・ページ、セルゲイ・ブリン
#すごい…手が届かなすぎる(笑)
でも、こうした相関図を描くと、共通点や違った視点を見いだせるかも。
つい最近系統樹に関する書籍を読んだんだけど、系統樹思考法を持ち込むと、更に自分の脳を可視化できていいかも…と、どんどんチェーンがつながっていく感じ。
- 作者: 三中信宏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/07/19
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そして、ここに挙げた彼らこそが、好きを貫いて生きている。そこにとても憧れがあることを再認識。
話が拡散してしまったけど、昨日の出来事はとっても愉快だった。
物理学を好きな自分が居て良かった。
プロジェクトを立ち上げていて良かった。
色んな本を読んでいて良かった。
人生半ば。これまでやってきたことを再構築して後半に挑めば、蓄積が活かせるかもね。