Give One Get Oneから始まる「小さな奇跡」


既にご承知の方もそうでない方も、先ずはこちらをご覧あれ。。


One Laptop per Child (OLPC) は世界中の子供に向け革命的な教育手段を提供するべく、100 ドル・ラップトップを開発・研究することを目的とした非営利法人。


追加の解説と最新動向はこちら。。

マサチューセッツ工科大学(MIT)のニコラス・ネグロポンテ(Nicholas Negroponte)教授が2005年に立ち上げた。

今回生産される最初のXOは、ウルグアイの子どもたちに提供される。OLPCの活動にとって、これは大きな一歩となる。XOは年内にも、ウルグアイ、ペルー、メキシコ、エチオピア、ルワンダ、ハイチ、カンボジア、インドの各国で提供される予定。

途上国の子どもたちへのPC普及目指し、中国で安価PC量産開始 国際ニュース : AFPBB News


僕が住んでいる日本も、ウェブを牽引する米国をはじめとした発展国では、日常でパソコンやインターネットがないだけで不便さを感じる程、空気や水などと同様なくてはならない生きるために必要なものに囲まれて生きている。


けれど、一歩外に足を踏み出すと、空気(汚染)や水(汚水)は勿論、食べ物や教育にすら飢えている国が沢山あって、僕自身行ったこともない発展途上国ばかりだけど想像するだけで考え込んでしまうくらい満たされない世界がある。


何かできないだろうか。


僕たちが少なからず持ち合わせている小さな気持ちを具現化するウェブ時代の新しいプロジェクトが、今やっとスタートしたことを、心より喜び、共感し、賛同したい気持ちに溢れている。


具体的に、何かできないだろうか。


今行われているGive One Get Oneキャンペーン(1人の子どもにノートパソコンを寄付すれば寄付した本人も1台を無料で入手できるというシステム)。


ただ、

Only for US and Canadian residentsと書いてある

ついに来ましたねコレ - はちすのみ



日本に住む私たちは協力できないのか(涙)。。


先日行ったカナダに住むドナさんに頼んでみようか。
本気である。週明け、知人を通じてお願いしようと思う。


ところで、この先はこれに絡めて、「ウェブ時代をゆく」から、引用を多用するのだが…

誰もが自由に表現すればそれが不特定多数に届く「総表現社会」

(「ウェブ時代をゆく」一九頁)


発展途上国の子どもたちにパソコンが行き届き、インターネット接続の環境が整って、多くの無償で提供される情報やアプリケーションに触れはじめた時、彼ら彼女らがブログを利用して世界に「何か」を発信しはじめたら…
そんな総表現社会はもうすぐやってきそうな気配を感じる。いや、絶対来て欲しい。
その為に、僕らは一体何ができるだろう。


僕の一つの試みは、彼らがいずれ大きくなった時に教育ってものにとっても関心を持って、学術情報にどっぷり浸かってみたいと思ったその際、使って貰えたらなぁ、と心より思うし、そうなるかと思うとゾクゾクする。


id:umedamochioは、インターネットを

パブリック(公共的)でオープン(開放的)でフリー(自由、無償)

(「ウェブ時代をゆく」三七頁)


な空間と表す。経済、政治、地域、歴史…こうした過去の負債により不自由を被る必要のないインターネットにつながる未来に、僕らも何かをしなければ、「もうひとつの地球」は成立しないのではなかろうか。


さ、どんどん引用するよ(笑)。

「自分たちは世界を良くするために働いている」という意識を有している

ウェブ時代をゆく」三七頁)


こう考えるエンジニアの塊、グーグル。この会社には入れなくとも、こうした気持ちを強く持つ人々は世界にいっぱいいるのではないかと信じている。
大袈裟な表現は成功したからこそクローズアップされるだけで、誰しもが理想や夢を抱えていて何が悪い?


世界を変えてやろう、そういう気持ちが溢れる世の中に便乗してやろう。


歴史に名が刻まれるとか、そんなもんじゃなくって、自分が思い描いた理想がちょっとでも現実に近づいたのならば、自己満足でもそれでいいじゃないか。


ちょっと古い情報だが

…世界人口のわずか10億人余がヨーロッパ、北アメリカ、オセアニア、日本などの先進国に住み、…一方、52億人は途上国に住…

2004年、世界人口は7600万人増加 先進国で300万人、途上国で7300万人 WorldWatch-Japan.org



id:umedamochio

ウェブ進化などまだ始まってもいない段階

ウェブ時代をゆく」一八〜一九頁)
と今の時代を表するように、ウェブ上に日々増蓄される情報は、まだまだ限りなく限定された人々から発信されたものだと思った方がいいのだろう。
52億人の途上国に住む人々が、「新しい地球」では同じ境遇に居合わせるのならば、その情報量も質も、今(ですら圧倒されるが)とは比較できないボリュームになる筈。

これから本格的に「知と情報のゲーム」が始まる。
主にパブリック空間を舞台とするウェブ2.0の本質は「経済のゲーム」よりも「知のゲーム」である。

ウェブ時代をゆく」四八頁)


書籍を読んで、あぁ、オレのベクトルはこのままでいいんだ、と認識させられたのがこのセンテンス。
そう、儲かるとか流行るとか、ウェブ2.0と叫ぶでビジネス情報にはウンザリ食傷気味。
もっとその先にある「知の体系」がぐんと変わることに興味があるし、それこそウェブ進化の神髄だって信じたいし、そこに何かしら貢献したい。
発展途上国の貧しい子どもたちがXOを使い始め、色んなことに興味を持ち、自らの言葉で知を発信しはじめたら…
まさに「総表現社会」。知で溢れる世界である。


「群衆の叡智」を集積する非営利プロジェクトのウィキペディア創始者ジミー・ウェールズは、

地球上のすべての人々に百科事典を配付するという非常に高い理想

ウェブ時代をゆく」六八〜七0頁)


があると云い、
アップルは、全米の大学の講義が無料配信される「iTunes U」というサービスを開始する。
そしてユーチューブを通じ、世界で起こった、個からメディアまでのあらゆる情報を瞬時にブラウズできる。
更には、過去に出版された「人類の過去の叡智」たるすべての本をコピーし、巨大な書籍検索エンジンを作ろうとしている「グーグル・ブックサーチ」プロジェクトの確実な進歩…

間違いなく十年後には、知的生活を送りたい人にとって最高の環境がウェブ上にできあがってるはずだ。

ウェブ時代をゆく」一五九頁)


間違いない。


十年後、想像できる?世界中の人々が知を共有するんだよ。格差なしに。
これって素晴らしい!


パソコンとWi-Fiを手に入れさえすれば、空気や水や食料といった環境問題は已然残るが、知識といった観点に立てば、世界中の子どもたちが同じ環境で学習できる。
むしろ、危機感のない、飢えのない発展国の子どもたちの未来の方が心配になってくる(気がはやいが…)。


こんなに世界が変わろうとしているこの瞬間、僕らは一体何をウェブで何ができるだろう。そしてそれがどう世の中を動かすことができるんだろう。

ウェブ進化は「時間」と「距離」と「無限」についての私たちの感覚を揺るがしながら、これまでの常識では考えられなかったような「小さな奇跡」を起こす。

ウェブ時代をゆく」六二頁)


小さな気持ちから思いを馳せることからスタートし、ウェブの力を借りて一歩踏み出すことによりその気持ちを具現化し、小さな奇跡を起こす…かも知れないというワクワク感で、「好き」を貫く。


俄然、気持ちが奮い立ってきたよ。
ワクワクするこの先。


「小さな奇跡」、起こすぞー:-)