ウェブ時代をこう生きてみたい

id:matumoto_nagaseブログに刺激受けて、僕も「ウェブ時代をこう生きてみたい」というテーマでブログを書いてみようと思いました。

先日、id:umedamochioさんのブログを見て早速日記を書いたところ、すぐさま☆を頂いて、小さな喜びを噛み締めていたんだけれど、今回はid:umedamochioさん自らお読みになることは勿論、「強い印象を残した」ブロガーに直筆サイン付き書籍をプレゼントってことで…

「ウェブ時代をゆく」欲しい!

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

(ですが、既にamazonで予約済み)


さて本題。の前に、少々過去を振り返って…


僕は本業(大学事務職)の傍ら、ウェブサイトの運営をし続けて4年程経ちます。毎年新規企画立ち上げ、現在までに5つを運営。うち以下は既にDeadPool入りしてしまったもの。
internetprivacy.jp
antiphishing.jp
antibotnet.jp
universitysearrch.jp


現在は
myopenarchive.org
ってのをはじめたばかりですが、こういう話題をする度に、相手から「何でそういうことやってるの?」って必ず聞かれます。


きっかけは5年前くらいに読んだ、こんな本に刺激を受けて、でした。

週末起業 (ちくま新書)

週末起業 (ちくま新書)

理工学部数学科を卒業して、システムエンジニアとして新卒で採用された大手企業を5年で辞め、1度目の転職先はやはりIT系企業でセールスを担当。営業成績に追われる日々に嫌気がさして(というか、性格に合わないと判断して)、2度目の転職先が大学の情報システム部門。けれど上司とシステムに対する意見の対立で早々に別部署に異動させられて、これまでの、システムには何ら関わりのない事務職員になってしまって…
これじゃ単なるパソコンヲタクにしか見られない、って焦りから、客観的な評価を求めて色んな資格を取得しはじめるんだけど、資格なんて持ってても何の役にも立たない…あー、オレって役立たず…なんて自嘲気味になっていた頃、立ち読みした本から刺激を受けたのは
「とりあえずウェブで何かをやれば変わるかも知れない」
ってことでした。


仕事を通じて知り合ったウェブデザイナーに、小遣い20万円掻き集めて「これで、こういうことやれるサイトを創って欲しい」って持ちかけたのはことのはじまり。
当時、米国でブログなるものが流行りだしたことに興味を持ち、技術的に修得して試してみたいと思った彼の提案で始めた最初のサイト(internetprivacy.jp)は、珍しさも手伝って広告収入で約100万円程。
毎月、5万円程度の小遣いが稼げれば、なんてことすら憧れでしかなかったのに、「これは楽しい」ってハマってしまい、プライバシーの次はセキュリティだ!なんて次のサイト(antiphishing.jp)を企画したら、サービス開始数ヶ月後には経済産業省のサイトに採択。ドメイン所有権を譲り、モデレータとして1年契約を結んだ結果の収入は約1000万円。


リアル社会でパッとしない人間が、ネット社会では力を発揮できる。。
ニッチな得意分野で、(技術力ある)パートナーと組み、「何か」を仕掛けた結果。そこには本人すら想像できない「反応」が(今回は結果として金額で)跳ね返ってきた。
嬉しくもあり、恐ろしくもあるネット社会。


前置き長くなりましたが、ここから本題の「ウェブ時代をこう生きてみたい」を、僕の経験値に即して書かせて頂きます。


ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)


で、こんなことが書いてありましたよね。

「(≒無限大)×(≒無)=Something」。
放っておけば消えて失われてしまうはずの価値、つまりわずかな金やわずかな時間の断片といった無に近いものを、無限大に限りなく近い対象から、ゼロに限りなく近いコストで集積できたら何が起こるのか。ここに、インターネットの可能性の本質がある。

間違いない。

ウェブサイトを運営し始めてからライフスタイルが変わった。
小さな子どもがいた、というのも理由にあるが、子どもと一緒に22時迄には寝てしまい、4時前後起床してサイトの更新を本業就業前まで行う。


「いつそんなことする暇あるの?」ってのもよく聞かれる質問だけれど、皆と生活リズムがちょっと違うだけで、空いた時間を集積すれば、そしてそれを何らかの目的を達成する為に集中投下すれば、ウェブの世界では大きな変化が待ち受けている…


「坂東さんにしかできないよね」ってこともよく言われるんだけど、前述の通り。僕一人で実現できたものは何一つない。
信頼と理解もあるパートナーあっての成功だった。
僕には正直専門知識なるものが何もない。技術力も全くない。
勿論、何かのプロフェッショナルには近づこうとするし、プログラミングやデザインについても相当勉強したが、諦めの早い性格が災いとともに幸いしたのか、上には上がいる。知識修得にはとんでもなく時間もかかりそう。これは無理!って早々に諦めついたのが吉と出た良い例だと思う。

私たち一人ひとりの力など知れている。だから人生において何か意義のあることを成し遂げたいときには、誰かと協力しなければならない。

こんな文章も共感しているし、当たり前のことかも知れないけれど、大切に思い続けたいこと。

自分にないものは誰かに頼るしかない。その代わり、彼にも頼られる「何か」を持ち合わせていればいい。
ただ、今も尚、僕には「何」が自分自身の「コレ!」なのかが分からずにいる。
が、現在進行中のプロジェクト(myopenarchive.org)も、沢山の仲間に支えられて、これから更なる飛躍が期待されているし、自分探しの意味で、やり続けていきたいと思う。



ウェブ時代ってのを、世間では1.0とか2.0って区切りで歴史を振り返っているけれど、まだまだ始まったばかり。
僕は1.0の時代をちょっとは謳歌できたのかも知れない。


2.0って表現はあまり好きじゃないんだけど、僕がこれからやっていきたいのは、これまでのライフスタイルを変えずに、やっぱりウェブで何かをやっていきたい。
ただ、これだけは意識して。

総表現社会のサービス提供者とは、「表現そのものの製作によってではなく、表現されたコンテンツの加工・整理・配信を事業化する」人たちで、既存の著作権の仕組みを拡大解釈するか、新しい時代に合わせて改善すべきだと考える。


放送や音楽がクローズアップされている既存の著作権管理。
だが、僕の関心の対象は「学術情報」の著作権。


ニュートンの有名な言葉に「われわれは巨人の肩に乗った小人のようなもの」ってのがあって、彼が言いたかったのは、研究成果は決して一人で生み出すことはできない。過去の蓄積の上にしか存在し得ない、ってことらしい。


大学に属していて、色々な裏側を見ると、怒りとかやるせない思いが出てくるんです。
特に、情報のクローズドさ(笑)。


国からの助成金や、学生が支払う学費を資源に研究されるんだけど、その結果はクローズ。
だけど、Googleがブックサーチなんかやりだして、少しづつ守っていた壁が崩れてきたことを感じ取っている人も多いんですよね。
けど、既存のジャーナルが著作権を金で買い取り、読みたきゃ利用料金を払えって、そこでまたクローズ。


結局、これまでもそうなんだけど、僕がウェブやってるのは(結果として対価による評価はあったし、それはそれで嬉しかったけど)「何でないの」って憤り。

梅田 …本来こうあるべきなのが何かの理由でそうなっていない、それに対して怒る。
茂木 怒りを創造性に結びつけると、すごくいいものができる。

フューチャリスト宣言 (ちくま新書)

フューチャリスト宣言 (ちくま新書)


普通の大学職員が小さく声を荒げて憤りを感じていても、何も変わらないが事実かも知れない。
だけど、一歩前に出て、その世界がウェブで、ちょっと荒っぽいけど「怒りを創造性に結びつける」ムーブメントを始めた時…
勿論、その後のことなんて予測できないし、駄目プロジェクトで終焉してるかも知れないけど、やっぱり僕はこういうことにムキになってやり通したいと言うか。

…自分と相性の良い一つの領域を突き詰めていった先に、対象を「好きで好きで仕方ない」と感じる境地がある。その境地に到達しない限り「狂気にも近い営み」は長続きしない。「中途半端に何かが好き」というのとは天地ほどにも違う「好きということのすさまじさ」とでも言おうか。心が楽しんでいる状態ゆえに生まれる強さだけが、未来を創造できる。

シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土 (ちくま文庫)

シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土 (ちくま文庫)


何だかid:umedamochioさんの本と引用ばかりで宣伝っぽい文章になってきちゃったけど(笑)、僕が共感して、それを意識して活動してるんだ、ってことは自分メモとしてもせっかくの機会なので残しておこうかと思って。。


テーマは何であれ、「ウェブをやる」(って表現が正しいかどうかは別として、僕なりに表現すればこういう)ことが「境地」なのかも知れない。し、未だ分からない。
けど、早寝早起きして、ネットにどっぷり浸かって、それがとっても楽しい。けど、「趣味は何?」って聞かれて、リアル社会に生きる人には通用しない(というか誤解されそう)ので「ウェブ」とか「ネット」とは言わないけど(笑)。


テーマは何であれ、ってのも、テーマは何でもいい、ってのとは随分違う。
僕にだからこそ、できる「何か」がある筈。
これを一人ひとりが意識して、それをウェブ社会で表現し出したら、世の中どう変わるんだろう、なんて想像しつつ、でも僕ら一人ひとりは何かしら他人と違うものを持ち合わせているワケで。


僕も、友人のid:matumoto_nagaseid:keiichifuruhashiも、実名でブログやってて、ウェブってのはそんな「個」が何であるかを認識させてくれる。

…「お前は何をやっているのか」「お前のアイデアは何だ」「お前の価値は何だ」「お前は今までに何をしてきて、これから何をするのか」…

シリコンバレー精神」で赤線を引いたも一つの引用文。


「お前は何者なのだ」という問い掛けは、「坂東慶太は何しに生まれてきたのか」と置き換えられなくもない。


僕はこういう人間で、こんなことやってきて、これからはこれをやろうとしている。
ちょっとは理解してもらえたかな。。


ウェブ時代をこう生きてみたい。いいテーマを与えてもらえた。書き足りないこといっぱいあるような気がするけど、何だか朝からスッキリした気分。僕なりの、これからのウェブ時代を生きてみたい先が見えてきた気がする。


この声が、届く人には届いて、でも僕はそんな人々の感じる何かを気にすることなく、今日もまたいつも通りのウェブ活動をスタートさせます。