ウェブベースの無料ワープロが与える影響


僕が新入社員の頃と言ったら、配属先の机の上には富士通のオアシスってワープロがあって、50人以上社員居るんだけどパソコンなんて数台しかなく、出来る先輩が英語版しかないExcelをマニアックに使っている時代だった。勿論インターネットなんて商用ベースには存在しなくって、社長が海外出張で視察してきたインターネットの話を「ふーん」って聞いてる時代だったよ。


ところが数年するとWindows95が発売されて、新入社員世代は「ワープロ」より「パソコン」っつって生意気にワープロを上司に押しつけ、パソコン上でワープロ機能を使っていて、未だワープロ機にしがみついているおじさん世代をせせら笑っていた気がする(ヤな奴だね、オレ。笑)。


その時代から、はや十年が経って、気づいてみるとパソコン上にある有償ソフト(ワードとか)を使っている世代こそが、もはや時代遅れな風潮になってきた。
少なくとも、アメリカでは。。
GoogleがWritelyというウェブベースのソフト会社を買収して、Google Docsのベースをつくったのが一年ちょっと前の話。
グーグル、ウェブベースのワープロソフト「Writely」を獲得


もはやマイクロソフトは有償でソフトを売るといったビジネスモデルが崩れるのではと巷で騒がれはじめたんだけど、たった一年でやっぱりそうなってきた感じがして…
今日はそんなニュースが二つ。
Adobeの「Buzzword」と「Share」のリリースでウェブ・ドキュメント戦争いよいよ過熱へ
マイクロソフト、無料のオンラインツール「Office Live Workspace」を発表


インターネットにつながらないと使えないじゃん、って発想も、そのうち「そんな意見あったよね」って時代に移行するんだと思う。
GoogleGoogle Gearってのをリリースして、ウェブサービスをオフラインで利用できる環境が徐々に整ってきてるんだから、他社も同様の手口は取り入れるだろうし、じゃぁ、もはやウェブサービスって何?って感じだけど、ハッキリ言えるのは、十数年前に主流だったワープロ機が今ではなくなっているのと同じで、有償アプリケーションも確実に十年先には存在しないだろう、ってこと。


で、じゃあどのサービスがデファクトスタンダードになって生き延びるか、って言ったら、やっぱりGoogleしかないんだよね、今のところ。
ただ、それじゃあ(便利だし、ありがたいんだけど)やっぱり面白くないし。


そういう中で、Adobeの参入は個人的にとっても興味深い。更なる買収(例えば、scribdとかなんて相乗効果バッチリだよね)を重ねてGoogle Docsのキラーアプリとなるんじゃないかな、と。マイクロソフトはワードに拘っている以上、差別化できるサービスはリリースできないだろうね。


そうなってくると、今は未だ目新しい「どんな形式のドキュメントフィアルでも、サイトにアップしてくれればFlash技術を利用して、ブラウザ上で確認できますよ」ってサービスは、いずれ必要なくなってくるかも知れない。そこが僕の危機感。こうした動向に、常に注意を払い、今後の展開を考えておきたいと思う。